日本郵船[9101] 第133期定時株主総会
場所:郵船ビル 15階ホール
日時:2020年6月29日(月) 午前10時
[2021年は不参加]
[2019年の記事はこちら]
---------------------------------------
日本郵船の株主総会出席は7年連続7回目です。
出席者は100名程度です。
議長は長澤社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・事業報告(映像形式)
・対処すべき課題(長澤)
・議案説明(長澤) 10時20分~
・飛鳥Ⅱで起きた火災の説明
・質疑応答 10時23分~
・議案採決
閉会は11時5分です。
---------------------------------------
質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は色付きうちわを提示
-質問者はマイクまで移動
-1人1問(3分程度)まで
-議長が内容をまとめてから回答
-6人目回答後に残り2名と予告
1-1 飛鳥Ⅱについて。老朽化しても使い続けるリスクをどう考えているか?後継船計画についても教えてほしい。
高橋専務「クリスタルハーモニーとして建造されてから30年経ち、飛鳥Ⅱとなってからもそれなりの年数になっている。今年はシンガポールで大きな改装を行い、今後も安全に乗ってもらうため根本的に構造を強化した。他の大きな点としては環境規制対応で脱硫装置を煙突に搭載した。レストランなども改装して新たな飛鳥Ⅱとして歩み出す。安全管理では乗組員に向けて非常に高い水準のマニュアルも整備している。後継船については現在も検討中。確たるものが決まったわけではなく、動きがあれば報告する」
長澤「コロナの問題もあるので安全対策をとった上でなるべく早いタイミングでの再航を考えている。後継船に関しては、ダイヤモンドプリンセスの件で客船に対する安全性が問われている。客船マーケットの動きを精査しながら慎重に考えていく」
2-1 株価が低迷している。株主還元を飛鳥クルーズの割引券でなくギフト券などに変えてはどうか?
長澤「株価はマーケットが決めるものなので、我々としては実直に事業を行ってしっかしりした成績を上げていく。株主還元に関してはご意見として賜るが、今のところそういったことは考えてない」
3-1 東京湾にテーマパークを作って欲しい。
長澤「そういった計画は一切ないが、ご意見として賜る」
4-1 コロナが長引く中での船員のやりくり状況と対応を教えてほしい。
小山専務「"物流を止めない"という志のもので世界中で日夜働いてくれていることに感謝している。世界各国でロックダウンが行われたことで国内の移動もできず、船員の交代が3月中旬からできない状況が続いていた。当社では1ヶ月に1000ポジションを交代しているが、3月では500,4月には60まで落ちた。船員にお願いして契約期間を延長してもらっている状況。各国で経済活動が再開され少しずつだが船員の交代ができてきて6月で350くらい。各国に対し『船員は国際物流のエッセンシャルワーカーである』と働きかけて、移動を許してもらえるようにお願いしている。日本では国交省や厚労省,法務省が前向きに対応してくれている。船員とのコミュニケーションを密にして取り組んでいる」
5-1 株主優待の利用状況を教えてほしい。長期保有株主の優遇策を取り入れてみてはどうか?
高橋「毎年3000~4000人程度の利用実績があり、優待として適度に機能していると認識。拡充していきたいとは思っているが今のところ決まってはいない。意見は参考にしたい」
6-1 女性活躍の考え方を教えてほしい。
日暮常務「積極的に施策を打って進めている。女性管理職の比率は全215名中35名で16.3%。役員では取締役1名,監査役1名,経営委員1名で3名。海外でも女性社員が活躍できるような制度にも取り組み、海外勤務経験者は78名。新卒採用では陸上職で15~20%を推移している」
長澤「社外取締役からも強い意見をいただいている。女性が働きやすい環境を提供することで活性化させていきたい」
長澤「社外取締役からも強い意見をいただいている。女性が働きやすい環境を提供することで活性化させていきたい」
7-1 コロナ後の取り組みについて教えてほしい。
長澤「まずはこの危機をどう乗り切るかに専念したい。リーマンショック時と比べるとコミットしている投資額が少ない。当時は船の発注残が1兆1000億円あったが、今年3月では2000億円強。問題は収入だが、全日空や日本航空が苦労する中でも当社グループの日本貨物航空は良い状況なので、その他事業がしっかりやってくれると期待している。世界情勢は見通しにくくなっている。分析,調査機能を使いながら戦略を立てて行きたいが、当面は事業をしっかり継続していくことが重要」
8-1 先日放送のコンテナ船密着番組で、日本には巨大コンテナ船が寄港できる港がないためシンガポールで積み替えているという説明があった。日本での港湾整備の取り組みについて教えてほしい。
原田専務「MOL TRIUMPHはOcean Network Express社が用船しヨーロッパ航路で使っている。番組では『400m近い船が寄港できる港はない』と紹介されていたが、実際には横浜にある。インフラの問題だけでなく経済性の問題もあり、小型船に積み替えた方がいいこともある。日本でも大型船の寄港のために政府が施策をやっているが、事業者としては経済性を考えながら一番いい選択肢を選びながらになる。ONE社はシンガポールに事業拠点を移したものの、日本への直接寄港は続けていきたい」
長澤「アジアでの相対的な地位低下もあり港湾整備が遅れていた。中国が大型な港湾を整備したことで大型船が中国を中心に運航されることになった」
長澤「アジアでの相対的な地位低下もあり港湾整備が遅れていた。中国が大型な港湾を整備したことで大型船が中国を中心に運航されることになった」
---------------------------------------
今日は遅刻です。
今年は会場が郵船ビルになりました。
行きにくい雰囲気なのでパスしまくっている今シーズンですが、本社ビルに入る機会と聞いたら体が反応しました。
株主総会としての新型コロナ対策に関してはもうどの企業も同じですね。
入口ではマスク着用,手の消毒,サーモグラフィーカメラによる検温の3点セット。
会場では席を離して配置し、議事進行は短縮といった具合に。
ただライブ配信などはありませんでしたね。
ただライブ配信などはありませんでしたね。
当然初めて入った会場ですが、綺麗で良さげなホールでした。
スカスカだったこともあってスクリーンは見やすかったですし、補助用モニタもしっかり置いてあって親切でした。
何より皇居外苑に面した15階なので景色がよさそうです(今日はシャッターが閉まっていましたが)。
また行きたいけど例年の総会の人数を収容するのは厳しそうなのでこれが最初で最後かな。
それにしても先々週の飛鳥Ⅱの火災は驚きました。
運が悪いのか郵船って総会直前にハプニングがよく起こる印象があります。
まあ怪我人はいなかったようで何よりです。
あと航海密着番組またやってたんですね。
見逃しちゃいました。残念。
あと航海密着番組またやってたんですね。
見逃しちゃいました。残念。
最後に、郵船の社外取締役を長年務めた岡本行夫氏が4月24日に亡くなられました。
自分は遅刻で総会冒頭を見られませんでしたが、リリースを出しているくらいなので会社からのコメントがあったかもしれません。
総会の質疑応答では「岡本氏に答えてもらいたい」と指名されることも多く、株主からの人気が高い方でした。
ご冥福をお祈りいたします。
---------------------------------------
お土産はありません。
飛鳥Ⅱのカタログをもらったので載せておきます。