セリングクライマックス

株主総会や投資家向けイベントの報告ブログ

9101

日本郵船 第133期定時株主総会

日本郵船[9101] 第133期定時株主総会
場所:郵船ビル 15階ホール
日時:2020年6月29日(月) 午前10時

[2021年は不参加]
[2019年の記事はこちら]
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日本郵船の株主総会出席は7年連続7回目です。

出席者は100名程度です。

議長は長澤社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・事業報告(映像形式)
・対処すべき課題(長澤)
・議案説明(長澤) 10時20分~
・飛鳥Ⅱで起きた火災の説明
・質疑応答 10時23分~
・議案採決
閉会は11時5分です。

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質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は色付きうちわを提示
-質問者はマイクまで移動
-1人1問(3分程度)まで
-議長が内容をまとめてから回答
-6人目回答後に残り2名と予告

1-1 飛鳥Ⅱについて。老朽化しても使い続けるリスクをどう考えているか?後継船計画についても教えてほしい。
高橋専務「クリスタルハーモニーとして建造されてから30年経ち、飛鳥Ⅱとなってからもそれなりの年数になっている。今年はシンガポールで大きな改装を行い、今後も安全に乗ってもらうため根本的に構造を強化した。他の大きな点としては環境規制対応で脱硫装置を煙突に搭載した。レストランなども改装して新たな飛鳥Ⅱとして歩み出す。安全管理では乗組員に向けて非常に高い水準のマニュアルも整備している。後継船については現在も検討中。確たるものが決まったわけではなく、動きがあれば報告する」
長澤「コロナの問題もあるので安全対策をとった上でなるべく早いタイミングでの再航を考えている。後継船に関しては、ダイヤモンドプリンセスの件で客船に対する安全性が問われている。客船マーケットの動きを精査しながら慎重に考えていく」
2-1 株価が低迷している。株主還元を飛鳥クルーズの割引券でなくギフト券などに変えてはどうか?
長澤「株価はマーケットが決めるものなので、我々としては実直に事業を行ってしっかしりした成績を上げていく。株主還元に関してはご意見として賜るが、今のところそういったことは考えてない」
3-1 東京湾にテーマパークを作って欲しい。
長澤「そういった計画は一切ないが、ご意見として賜る」
4-1 コロナが長引く中での船員のやりくり状況と対応を教えてほしい。
小山専務「"物流を止めない"という志のもので世界中で日夜働いてくれていることに感謝している。世界各国でロックダウンが行われたことで国内の移動もできず、船員の交代が3月中旬からできない状況が続いていた。当社では1ヶ月に1000ポジションを交代しているが、3月では500,4月には60まで落ちた。船員にお願いして契約期間を延長してもらっている状況。各国で経済活動が再開され少しずつだが船員の交代ができてきて6月で350くらい。各国に対し『船員は国際物流のエッセンシャルワーカーである』と働きかけて、移動を許してもらえるようにお願いしている。日本では国交省や厚労省,法務省が前向きに対応してくれている。船員とのコミュニケーションを密にして取り組んでいる」
5-1 株主優待の利用状況を教えてほしい。長期保有株主の優遇策を取り入れてみてはどうか?
高橋「毎年3000~4000人程度の利用実績があり、優待として適度に機能していると認識。拡充していきたいとは思っているが今のところ決まってはいない。意見は参考にしたい」
6-1 女性活躍の考え方を教えてほしい。
日暮常務「積極的に施策を打って進めている。女性管理職の比率は全215名中35名で16.3%。役員では取締役1名,監査役1名,経営委員1名で3名。海外でも女性社員が活躍できるような制度にも取り組み、海外勤務経験者は78名。新卒採用では陸上職で15~20%を推移している」
長澤「社外取締役からも強い意見をいただいている。女性が働きやすい環境を提供することで活性化させていきたい」
7-1 コロナ後の取り組みについて教えてほしい。
長澤「まずはこの危機をどう乗り切るかに専念したい。リーマンショック時と比べるとコミットしている投資額が少ない。当時は船の発注残が1兆1000億円あったが、今年3月では2000億円強。問題は収入だが、全日空や日本航空が苦労する中でも当社グループの日本貨物航空は良い状況なので、その他事業がしっかりやってくれると期待している。世界情勢は見通しにくくなっている。分析,調査機能を使いながら戦略を立てて行きたいが、当面は事業をしっかり継続していくことが重要」
8-1 先日放送のコンテナ船密着番組で、日本には巨大コンテナ船が寄港できる港がないためシンガポールで積み替えているという説明があった。日本での港湾整備の取り組みについて教えてほしい。
原田専務「MOL TRIUMPHはOcean Network Express社が用船しヨーロッパ航路で使っている。番組では『400m近い船が寄港できる港はない』と紹介されていたが、実際には横浜にある。インフラの問題だけでなく経済性の問題もあり、小型船に積み替えた方がいいこともある。日本でも大型船の寄港のために政府が施策をやっているが、事業者としては経済性を考えながら一番いい選択肢を選びながらになる。ONE社はシンガポールに事業拠点を移したものの、日本への直接寄港は続けていきたい」
長澤「アジアでの相対的な地位低下もあり港湾整備が遅れていた。中国が大型な港湾を整備したことで大型船が中国を中心に運航されることになった」

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今日は遅刻です。

今年は会場が郵船ビルになりました。
行きにくい雰囲気なのでパスしまくっている今シーズンですが、本社ビルに入る機会と聞いたら体が反応しました。

株主総会としての新型コロナ対策に関してはもうどの企業も同じですね。
入口ではマスク着用,手の消毒,サーモグラフィーカメラによる検温の3点セット。
会場では席を離して配置し、議事進行は短縮といった具合に。
ただライブ配信などはありませんでしたね。

当然初めて入った会場ですが、綺麗で良さげなホールでした。
スカスカだったこともあってスクリーンは見やすかったですし、補助用モニタもしっかり置いてあって親切でした。
何より皇居外苑に面した15階なので景色がよさそうです(今日はシャッターが閉まっていましたが)。
また行きたいけど例年の総会の人数を収容するのは厳しそうなのでこれが最初で最後かな。

それにしても先々週の飛鳥Ⅱの火災は驚きました。
運が悪いのか郵船って総会直前にハプニングがよく起こる印象があります。
まあ怪我人はいなかったようで何よりです。

あと航海密着番組またやってたんですね。
見逃しちゃいました。残念。

最後に、郵船の社外取締役を長年務めた岡本行夫氏が4月24日に亡くなられました。
自分は遅刻で総会冒頭を見られませんでしたが、リリースを出しているくらいなので会社からのコメントがあったかもしれません。
総会の質疑応答では「岡本氏に答えてもらいたい」と指名されることも多く、株主からの人気が高い方でした。
ご冥福をお祈りいたします。

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お土産はありません。
飛鳥Ⅱのカタログをもらったので載せておきます。
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日本郵船 第132期定時株主総会

日本郵船[9101] 第132期定時株主総会
場所:パレスホテル東京 葵
日時:2019年6月19日(水) 午前10時
URL:https://www.nyk.com/ir/event/meeting/

[2020年の記事はこちら]


日本郵船の株主総会出席は6年連続6回目です。

出席者は500名程度です。

議長は内藤社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・業績低迷のお詫び(内藤)
・監査報告(和崎監査役)
・事業報告(映像)
・対処すべき課題(内藤)
・議案説明(内藤)
・質疑応答 10時45分~
・議案採決
・新任役員,経営委員紹介
・新社長就任挨拶(長澤副社長)
閉会は12時14分です。


質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は色付きうちわを提示
-質問者はマイクまで移動
-1人2問まで
-議長が内容をまとめてから回答
-9人目回答後に残り2名と予告

1-1 上皇ご夫妻を飛鳥Ⅱクルーズに招待してはどうか?
内藤「全く考えてなかった。貴重な意見として検討するがハードルは高いように思う」
1-2 郵船クルーズの今後について。飛鳥Ⅱ後継船の建造計画は?
高橋専務「3月末に郵船クルーズ株の半分をアンカーシップパートナーズに譲渡した。アンカーは船舶中心の投資ファンドで従前から取引があった。アンカーの出資者には地銀が多く、地方創生に飛鳥Ⅱを活用したいという考えを持っていた。また飛鳥Ⅱは大きな改装をする予定で資金も必要だった。郵船クルーズの重要性は今までと同じで、アンカーの力を借りてより一層育てていく。後継船については検討は続けているがはっきりした方針はできていない」
内藤「飛鳥で作った高いブランド力や客への接待の心は大変大事なので継続してやっていきたい。ただ経営環境は厳しいところもあり、アンカーと一緒にやっていくことにした」
2-1 連結業績について。赤字であるにもかかわらず190億円もの税金を払わなければならない理由は?
高橋「連結財務諸表は親会社と子会社の合計でできている。郵船本体では12億円ほど負担しているが外国税はどうしても避けられない税金。子会社には利益が出てる会社と損失出てる会社がいろいろある。決算書は利益と損失を合計して作るので結果的に利益が出ている会社の税金だけが残る。多額の税金を払っている会社はなく、多数の会社の少額の税金を合計した結果。この状況がいいとは思っておらず、郵船本体の利益を上げ、赤字の会社も減らす。連結納税も検討中」
2-2 特別損失にある契約損失引当金とは?
高橋「354億円のほとんどがOcean Network Express社設立によるもの。3つの親会社からコンテナ船を貸し出して事業を行っている。用船料は市場に連動しているが、我々が仕入れたときのコストは決まっているため差が生じる。その損失で310億円弱を引き当てた。結果的には将来の損失を抑えられている」
内藤「タックスマネジメントは大きな課題。また現在構造改革を実施中で前期はアメリカのターミナル会社を売却した。利益は出たが税金を払わないといけなかった」
3-1 業績回復に向けた社長の説明が抽象的に感じられる。
内藤「申し訳ない。定期船事業と航空貨物事業が非常に足を引っ張ったがそれ以外は上手く行っている。定期船と航空貨物の2つで400億円の赤字だが、それ以外の事業で補って20億円の赤字になった。私としては一定の改善が見込めると判断して新しい社長に託すつもり。定期船は創業時の混乱で大きく損失を計上した。親会社3社が持ち込んだ全てを合理化できないまま進んでいたが今期は改善している。日本貨物航空は国交省から行政指導を受け全機を一度止めた。運航機数を減らすことにして、B747-8Fの8機に絞って残りはアメリカの会社にリースした。国交省に最終的な報告書を出して整備については決着をつけたい。今期は赤字の見通しだが日本貨物航空が黒字化すればとてもいい会社になる。それ以外の事業は順調に黒字で、新しい契約も結んでおり今後は貢献してくる」
4-1 コンテナ船事業の業績で数値目標があれば教えてほしい。
内藤「ONE社は統合1年目で大きな損失を計上したがかなりの部分で問題点は解決した。今期は85億円の経常黒字を想定。コンテナ船は魅力のある事業なので黒字を達成してメインプレイヤーとして市場に残っていきたい。3社の社長が毎月集まって方向性を議論している。潤滑に運営されていると思う」
4-2 旧村上ファンドと対話した内容について教えてほしい。
内藤「ディスクローズできるものはして株主には現状を正しく伝えたい。一部の株主だけに特定の情報を流すことはインサイダー取引にもなるので大変気を付けている。決してそのようなことはしていない。株主との対話は大事なので続けていきたい」
5-1 収益認識に関する会計基準の変更は現在の中計に織り込まれているのか?
内藤「計画には含まれていない。はっきりした時点で決算説明会などを通じて説明する。収益認識基準の変更は金額的には大きな影響にならないと試算している」
5-2 国際税務専門のスタッフはいるのか?
高橋「他社では税制に関して当局との意見の差が生じて多額の課税がされるということもあった。海外との取引や税金には気を使っている。それぞれの地域の税金の専門家、郵船本体では国際課税の専門家から常に意見を聞いている」
6-1 退任する岡本取締役から役員を努めた感想を聞きたい。
内藤「10年以上社外役員を務め数々の貴重な意見をいただき感謝している」
岡本「株主総会を見ていて質問のレベルが高く建設的な方向に向いていると感じた。郵船はいい株主の賜物でやってこれた。それに応えられず責任を感じている。当社の取締役会の議論は厳しいものがあり、深い問題意識の下で行われている。郵船はこれから非常に良い方向に行くと思う。今までの悪いところを出す特別損失の計上があったが将来の投資と考えていただきたい。自分の専門である国際情勢分析を役に立てたかったが結果的には十分な数字にならなかった。大変いい会社なのでこれからも温かい支援をお願いしたい」
6-2 株価を上げるための施策は?
内藤「株価が低迷し申し訳ない。PBRが1倍割れで低迷しているのは事実。とにかく業績の回復が一番でいろいろな施策を打っている。当社の事業は長いので今日策を打って明日から急激に伸びるということはない。一つ一つの策を打っていくことで業績を改善させる。海運市況は2016年の酷い状況から徐々に改善の兆し。この波に合わせて業績改善することが大事」
7-1 日本貨物航空の不祥事に対する社内処分について。招集通知に書いてある役員の報酬自主返納だけでは対応が甘いのでは?
内藤「一丸となって対処し再発防止をしていく。字数の問題で記載しなかったが、実際には3名が退任し、社員6名に懲戒処分をした。不正に対してしっかり処罰を行っていく」
8-1 定期船事業の売上高が半減した理由について。
内藤「会計的な問題。これまでは100%を郵船として運営してきたのでの収入も全て入っていたが、当社38%持ち分のONE社による運営に移った。会計的には持分法適用会社になるので、運賃は反映されずに最後に出てきた利益や損失のみが反映される。ONE社の売上高は3社の合計かそれ以上になっている」
8-2 インドとロシアの将来性をどのように見ているか?
内藤「郵船グループでは毎年インドに集まりインド戦略会議をやっている。タタ財閥とジョイントベンチャーを設立し貨物を運んでいる。物流事業や自動車物流も展開。ロシアではエネルギー輸送でソブコムフロットとジョイントベンチャーを運営している。ロシアでも物流事業と自動車物流に注目している。年に1回程度はロシアを訪問し関係先を回っている」
9-1 先日の自動車専用船の密着番組で航海中の整備風景が映されていた。会社での取り組みを知りたい。
小山常務「大きな船では常にメンテナンスをしながらの運航になる。テレビでは発電機の整備だったが、2台以上あるのが基本なので順々で整備するようになっている。メインエンジンは航海中に止めることはできないので停泊中に行う。国ごとの法律やターミナルでの決まりごとによってできない場合もあるのでルールに基づいて行っている。どうしてもできない場合は両泊地で錨をうって整備することもある。定期的に行なうドライドックでのオーバーホールでは外側やエンジン周りのメンテナンスもされる。ソフトウェアがそれぞれの機器について時期に応じてメンテナンスの指示を出すので機関長らの判断でメンテンナンスをする。最近はエンジンの圧力や温度といった数値を陸上側でもモニターしている」
10-1 パナマ運河の拡張がどのような影響をもたらしたか聞きたい。
内藤「2016年6月に新しい閘門が完成し大型船の通行が可能になった。32mだった幅が50mを超えたところまで通行可能になった。アジアと大西洋が結ばれるようになり物流の動きが変わった。効率的な運航ができるという点で良い点が大きい」
10-2 日本郵船歴史博物館の訪問者が少ない。近代史の学習になるので修学旅行などで利用できないか?
内藤「株主には歴史博物館と氷川丸の招待券を配布している。来館者数は2018年度は2万7000人強で氷川丸は27万人強。修学旅行での活用は貴重な意見」
11-1 株主優待の飛鳥クルーズ割引について。長期保有株主にはさらに割引をつけてほしい。
内藤「優待制度の見直しは常に検討をしている。現段階では長期株主への優遇策は考えてない」
11-2 東日本大震災の際に被災地でコンテナを活用したという岡本取締役の新聞記事を読んだのでいきさつを聞きたい。
岡本「311の際にすぐに現地に入ったところ、被災地域の主産業は漁業だが船よりも陸上の冷蔵冷凍施設を失ったことの方が大きいと分かった。郵船の経営幹部に相談して135本の冷凍コンテナを簿価で譲ってもらい送ったところ非常に感謝された。国の本格的な復旧作業は1年かかったが、郵船のコンテナは被災後3ヶ月には配送されて最も早く現場に到達した産業用支援物資となった。本格的な復旧が行われて要らなくなったあとも零細事業者の下に回り未だに使われている。大変いい会社で仕事させてもらったと感謝している」

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いつも通りの総会でしたが、空気はちょっと厳しめといった感じ。

直近の中東情勢については質問者の方が一瞬触れたくらいで特に話題になりませんでした。
これはかなり意外。
他の海運企業では出るかもしれませんが、自分は今年ここだけの予定なので後は知りません。

毎年総会で人気の岡本氏は今回で退任されるとのこと。
終始会社と株主を褒めちぎりでした。
また内藤社長もお疲れさまでした。

あとテレ東の航海密着番組はやっぱり皆見てるんですね。株主も経営陣も。
コンテナ船の時はONE社で、先日の自動車専用船は商船三井だったので、いつか郵船も取り上げられることを願います。

ちなみに歴史博物館には10回近く行っています。
落ち付きすぎた雰囲気が好きなので、キッズだらけになるのはアレですが学校行事なら基本平日だろうし問題ないかなー。

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お土産はありません。
その旨が招集通知に記載されています。
飲み物はお茶の紙パックでした。
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日本郵船 第131期定時株主総会

日本郵船[9101] 第131期定時株主総会
場所:パレスホテル東京 葵
日時:2018年6月20日(水) 午前10時

[2019年の記事はこちら]
[2017年の記事はこちら]

日本郵船の株主総会出席は5年連続5回目です。

出席者は500名くらいです。

議長は内藤社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・自動車海上輸送での欧州委員会から制裁金決定と日本貨物航空での整備記録不備に対するお詫び(内藤)
・監査報告(和崎監査役)
・事業報告(動画)
・対処すべき課題(内藤)
・議案説明(内藤)
・質疑応答 10時40分~
・議案採決
閉会は12時08分です。

質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は団扇を掲示
-質問者がマイクまで移動
-1人2問まで
-議長が質問をまとめてから回答
-9人目終了時に残り2問と予告

1-1 グループが所有する船舶293隻の平均船齢を教えてほしい。
内藤「293隻というくくりではデータがないため答えられない」
1-2 飛鳥Ⅱの老朽化への対応について。後継船の建造計画は?
内藤「1990年建造から28年経つが客船の寿命は35~40年くらい。整備には大変気を使っている。人気のあるクルーズであり、直接客と商売ができる数少ない事業。郵船グループの顔としてのブランドイメージ向上にも役立っているので後継船は何とか造りたい。日本の造船所に期待していたが現状は難しい。ヨーロッパの造船所では客船の人気が高く、予約が埋まっている状況なのも考慮する必要がある」
2-1 今期の燃料価格の想定は?
内藤「C重油の価格で設定しており想定は380ドル。C重油が10ドル上がると19億円の収益悪化。直近は400ドル強のため予算を上回るところで価格推移している」
2-2 国谷取締役の選任理由や社内での活動について。
内藤「当社では広範な知識や経験、実績に加え倫理観や人格を重視。専門知識も大事だが一般常識はさらに大事。国谷氏には国際性や多様性、環境問題などの分野で活躍してもらっている」
国谷「報道にいた30年間で様々な問題に取り組んできた。現在企業に求められている社会的責任が大きく変わろうとしている。SDGsが採択され新たな価値観が求められている。ダイバーシティとしては女性の活躍の在り方が象徴になる。新たな発想で企業に変革が起きるような社内風土を構築したい。環境や社会問題についても提案している。これからも収益向上に向けて貢献したい」

3-1 飛鳥Ⅱクルーズでの従業員の対応に不満。
内藤「不快な思いをさせて申し訳ない。適切な対応をするよう心がける。個別的案件なのでこれ以上は控えたい」
4-1 中国子会社における不正で受けた損失は本人に請求するのか?業績への影響は?
内藤「中国で完成車輸送を行う子会社において現地採用の中国人幹部により不正な支出の疑いがあった。民事訴訟と刑事告訴をしている」
高橋取締役「被害の8億円は帳簿上すでに費用として処理されている。損益としては取り込み済み。本人に請求し回収できたら利益になる。これ以上連結の財政に悪影響が出ることはない」

5-1 南シナ海情勢の影響や対策について。トランプ政権で起きた変化があれば。
小山常務「トランプ政権の影響に関しては民間企業の我々では手を出しようない。セキュリティコンサルタントや省庁から情報を収集し適切に対応。スカボロー礁を中国が実効支配しているが常用航路から170キロ離れているので支障はない。もしも南シナ海が通れなくなった際はスンダ海峡やフィリピン東側を経由することで航路は2000キロ伸び3日ほど増えることになる」
内藤「海運は海洋の平和と安全、航行の自由が前提。前提を維持していただきたいが政治の問題」

6-1 前期が赤字だったにもかかわらず高い法人税を払っている理由について。
高橋「法人税等が153億円で税金等調整前当期純利益が420億円のため36%くらいになる。日本国内での法定実効税率は郵船単体で30%弱くらい。国内海外に多数の連結子会社を保有するため、合計すると利益の出ている会社の税金だけが残り、法定実効税率より高くなる場合がある。損を出す会社を少なくし、国々の税制を活用しながら税金を少なくしていく」
6-2 今期の業績予想が減収増益となる要因は?
内藤「定期船事業をOcean Network Expressに移したことで、当社の大きな部分が持分法適用会社に移った。持分法適用会社では売上げが当社に計上されず結果だけが合算される。海運市況については2016年は厳しかったが徐々に改善、昨年度に比べ今年度はさらに回復すると見ている」
7-1 米中貿易戦争による影響は?
内藤「いろいろ想定はしているがどんなことが起こるかわからない。特に心配しているのは自動車輸送や関連の物流への影響を注視。中国がアメリカからのエネルギー輸入に高関税をかけることも心配。注視してしっかり対応したい」
7-2 LNGへの燃料転換について。
長澤副社長「将来的にLNGが中心になると予測し研究してきた。横浜港のタグボートはLNG燃料を使用。欧州UECCの自動車運搬船でも試み。中部地区ではLNG燃料販売会社を立ち上げた。2020年にSOx規制が施行されるがLNGを使うことでSOxがほぼ排出されなくなる。コスト面では一般商船だと専用エンジンを付けることで20%くらい高くなる。LNG自体の価格もC重油より高い。客との合意が必要なため協議していく中で詰めていく」
8-1 お土産を廃止した昨年から出席者数が激減している。会社と株主を繋げる手段でもあるので復活を検討してほしい。
内藤「遠隔地で出席できない人もいるので今の時点では同様の扱いにしたい。株主還元で答えるのが基本。ただたくさん拍手も出ていたのでご意見として承る」
9-1 内藤社長の代表取締役再任の根拠について。どのような価値観を持っているのか聞きたい。
内藤「三方良しと言う言葉があり、そうあるべきだと思っている。株主第一だが客や取引先、従業員との利害が必ずしも一致するわけではないのでどうバランスを取っていくかがポイント。短期的ではなく中長期的にステークホルダに何が良いか考えている」
9-2 郵船ロジスティクスの完全子会社化は利害関係者にとって本当にプラスとなるのか?
内藤「グループを世界で大きくするためにこの分野を伸ばしたい。利用運送業のため中立性の問題があり、100%子会社にすると他の船会社が商売をやりにくかった。今回ONE設立で定期船を外に出した一方で、郵船ロジを100%化することで物流網の中心にする。今後は中立性の問題はなくなり郵船のために働く形。物流業は客と密な付き合いをしているのでこれをグループ全体に拡げることには意味がある。また世界中に持っているネットワークを活用する。決断自体は総合的には正しかった。重要なのはいかに大きくして目的を達成するか」
10-1 お土産を配布しない中でも出席者を増やすための取り組みは?
内藤「株主との対話は大事で厳しい意見をいただくことも貴重。開催日を集中日から外すようにしている。会場も以前よりは利便性が高まったと思う」
10-2 定款変更を行う意図について。
内藤「郵船ロジが完全子会社になり貨物利用運送業や物流業を新たに定款にいれた。LNG燃料販売を始めたことも要因」
11-1 総会運営について。質疑応答のやりとりで時間がかかっているのでマイクを増やしたり区画を分けるなど工夫すれば?
内藤「仰るとおり。要望を次回に活かしていく」

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お土産について質問されていた方が仰ってたのですが、どうやら2,3年前までは1200名も来られていたそうです。
改めて自分の目測が外れすぎてて泣けます。
しかし昨年の300~400名というのは正解だったようで。
お土産をもらってすぐに帰る方の割合が自分の思ってた以上に多かったということか。

今年から会場はパレスホテルに変更されました。
今日は日本郵政がプリンスパークタワーだったので、てっきり郵船は押し出されたのかと思っていたら。
答弁を聞く感じでは自主的に動いたように見えます。
"株主総会は全社パレスホテルでやれ!"と思っている過激派の自分からしたら大変嬉しいことです。
今日のような雨の日でも東京大手町というターミナル駅から濡れずに行けるのは大きいですし。
なにより郵船本社とは目と鼻の先なので本人らが一番行きやすいという。
実際昨年よりは出席者が多いように感じたので、この会場変更は正解だったといえます。

バラエティに富んだ社外取締役陣も郵船のウリです。
昨年に続いて岡本氏に向けたような質問があったものの、他の役員に持っていかれてしまいました。
唯一回答されてた国谷氏ですが、「過去には株主の存在に否定的ではなかったか?」とか「船の世界では救難時に男性差別があるがどう思うか?」などキツイことも聞かれていました。
話のプロがどう対応するのかと期待していたら、そういった点には触れず正論だけ述べて戻られたのでちょっと残念でした。
それでも今日一番の拍手が起きてましたが。
来年は片山氏の話すところが見たいところです。


最後に郵船には関係ない話ですが、"郵政"の総会はやっと都心になったんですね。
一昨年昨年でさいたまスーパーアリーナと横浜アリーナをガラガラにしてようやく察したようです。
結局のところお土産さえ渡さなければ出席者数はかなり抑制できます。
都外の会場をウロウロしている間はもう行くことないなと思っていましたが、これなら来年以降はまた考えたいと思います。
株主数が膨大な割に出席してネットに書く人が少ないせいか、2年前に書いた記事のアクセスが非常に多いので。

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お土産はありません。
召集通知に記載があります。
飲み物は紙パックのお茶でした。
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日本郵船 第130期定時株主総会

日本郵船[9101] 第130期定時株主総会
場所:ザ・プリンス パークタワー東京 ボールルーム
日時:2017年6月21日(水) 午前10時

[2018年の記事はこちら]
[2016年の記事はこちら]

日本郵船の株主総会出席は4年連続4回目です。

出席者は300~400名くらいでした。

議長は内藤社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・業績悪化と無配へのお詫び(内藤)
・監査報告(杉浦監査役)
・事業報告(動画形式)
・対処すべき課題(内藤)
・議案説明(内藤)
・米イージス艦との衝突事故への対応(内藤)
・質疑応答 10時50分~
・議案採決
・新任役員紹介
閉会は12時05分です。

質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は団扇を掲示
-質問者がマイク席まで移動
-一人二問まで
-議長が質問をまとめてから回答
-9問目終了時に残り1問と予告

1-1 飛鳥Ⅱの後継船の新造について。
内藤「最終的な結論には至っていない。基本的には客船事業は継続したい。唯一のBtoCビジネスであり、ブランド力や社会的貢献という点でも重要なビジネス。三菱重工や欧州の造船所とは話をしている。ただ中古買船や延命工事を施して長く使っていく選択肢も捨てたわけではない」
2-1 衝突事故に関して。相手が悪かったとしてもトランプ政権だからどんな要求をされるかわからない。
内藤「基本的には当事者となるのは船主であるため大日インベストが対応している。事故の発生原因に関しては発言を控えたい。用船者である当社の対応としては、積んでいたコンテナを全て降ろし別の船を用意した上で客とコンタクトしている。業績への影響は詰め替え等で多少発生するが事故への賠償金は想定せず」
3-1 今期の想定為替レートは?
内藤「1ドル108円を想定。1円の円安で7億円弱の効果がある。現状では円安なので利益が出る」
3-2 昨年の韓進海運破綻をどう捉えているか?
内藤「正直言って驚いた。韓進はコンテナ船とバルク船であるのに対し、当社は多様なビジネスで安定的に利益を稼げる事業を持っている。大型コンテナ船が続々参入する厳しい時期と韓進の大型投資の時期がちょうど当たってしまった。当社としてもコンテナ船は大事な事業であり邦船3社の統合により利益を出していく」
4-1 会社四季報に"海洋工事会社が米国破産法申請"とあった。
内藤「EMAS CHIYODA社に投資をしたが会社更生法申請となった。中計にある海洋事業への進出として3年前から研究してきた。一度参入すれば他社が付いてこれない事業のため利益が高く、関係の深い千代田化工がパートナーとして参入するという話だった。また原油価格の低下と共に株価も下がったため値ごろ感もあった。しかし想像以上に市況回復が遅く競争も激化していた。資金繰りが悪化していることもわかり早期回復が難しいため損失計上した。既に処理しているので今期の業績への影響はない。他の海洋事業は順調に進んでいるので心配ない」
4-2 現状の株価について。
内藤「株価が低迷し申し訳ない。昨年の巨額減損や無配、中計目標値の取り下げが影響と想像している。しかし他社にないビジネスもたくさんある。エネルギーの上流中流権益を持っている海運企業は他にない。自動車物流も世界で利益を上げている。来年3月に新規経営計画を発表する。黒字化と復配が最大の課題」
5-1 昨年までに比べ総会参加者が非常に少ない。お土産を廃止したせいでは?
吉田常務「検討した結果、株主の公平感を重視して今回から廃止した」
内藤「会場が遠くて行けない株主からの意見もあった」

6-1 第2号議案ついて。額面が50円から500円になったという解釈でいいのか?
吉田「株式併合は東証の意向に合わせるため。現在においては額面というものはないと認識している」
6-2 客船事業をその他事業に含めるのは如何なものか?もう少し力を入れてほしい。
内藤「飛鳥Ⅱは重要なビジネスなので続けていきたい。区分は基本的には売上高で考えている。客船事業はクリスタルクルーズを売却したため現在は飛鳥事業だけ。その他として扱っているわけではない」
7-1 コンテナ船市況について。
内藤「運賃が低迷しているため運航会社はどんどん減っている。今回の統合会社は世界5,6位クラスになる。大きな会社は10社に満たない状況であり、コンソーシアムも減少して現在は3グループ。儲かっている会社はほとんどなく一番大きなマースクでも四半期ではマイナス。将来は安定的な利益を生む事業だと思っている。コンテナ船の統合効果は1100億円と見ており、3社のいいとこ取りをすることで競争力を維持していく」
8-1 衝突事故発生時の対応を時系列で知りたい。
内藤「(正確ではないが)危機管理に当たる人間が連絡を受けたのは2時半、自分は5時半くらいに知った。状況把握は任せていたため自分は12時過ぎに会社に到着し打ち合わせを行った。危機管理センターの立ち上げは8時頃」
8-2 役員持ち株会は存在するのか?
吉田「役員持ち株会制度は現在も継続している」
内藤「昨年に業績連動型の株式報酬制度を導入した。株主と同じ目線と業務に取り組むという趣旨」

9-1 岡本取締役に郵船の強み弱み等を聞きたい。
岡本「経営資源に強いものがあり一番は人。長いスパンで動いていくためずっと先まで世界経済を見通す力が必要であり、外部の自分としても敬服している。ポートフォリオの多様化も強さ。激変する世界経済の中では新しい事業機会が出てくる。海洋事業の参入やコンテナ船の統合もいち早く決断した。現状に満足せず前に進む点に可能性を感じる。弱みは当社というより海運全体の問題。市況の改善とともに業績も伸ばしていると信じている」
10-1 長期ビジョンとして市況に左右されない事業についての考えは?
内藤「現在中計を策定中。(個人的意見として)完全に市況に寄って立つビジネスはやめた方がいい。中長期的に安定的に利益が出るものを固めた上で一定範囲でチャンレンジしていく。差別化を推進することが長期的なビジョン。現場を持っている強みで先を読み新たな技術を作っていくのが目指すべきところ」

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今回からお土産は廃止になりました。
それが響いてか参加者は大きく減りました。
ここの会場はなかなか微妙な位置にあるため、はしごされる方は少ないと思っていましたが。
単体で来ていた方も敬遠するようになったということでしょうか。
まあ自分は粘着性が強い体質の人間なのでこれからも行く予定です。

にしても「公平性の観点から~」という呪文を聞いたのは何回目でしょうか。
聞き飽きてきたのでたまにはスペシャルな言い訳が聞きたいところです。

郵船の総会の特徴は真面目な会社側と紳士的な株主です。
とにかく真面目なので説明に時間をかけます。
話が長いとか言ってはいけません。
社長も真面目なので個人的な意見と前置きした上でいろいろ話してくれます。
株主に関してはとにかく紳士です。
株価低迷に無配転落のコンボでも声を荒げる方なんていません。
今年も平和で堅実な総会でした。

イージス艦衝突事故の説明に時間を割いたのは良かったと思います。
直接的な影響はないとのことですがタイムリーで気になっていた話題なので。

あとは昨年も書きましたが社外取締役の選び方がユニークですね。
岡本氏に片山氏とテレビのコメンテーターで見る方ばかりだとか言っていたら、今年は国谷裕子氏が追加されました。
三人並んだら完全に報道番組です。
このあたりは自分が持っている郵船のイメージとのギャップがあって面白いなと。

ちなみに昨日同様に物産の招集通知も握って行きましたがやはり無駄でした。


お土産はありません。
招集通知に記載があります。
飲み物は紙パックのお茶でした。
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日本郵船 第129期定時株主総会

日本郵船[9101] 第129期定時株主総会
場所:ザ・プリンス パークタワー東京 ボールルーム
日時:2016年6月20日(月) 午前10時

[2017年の記事はこちら]
[2015年の記事はこちら]

日本郵船の株主総会出席は3年連続3回目です。

出席者は800名くらいでした。
層は中高年男性主体です。

議長は内藤社長が務めました。
数分遅れましたが開会からの流れは以下の通りです。
・監査報告
・映像形式の事業報告
・対処すべき課題(内藤)
・議案説明(内藤)

11時ちょっと前から質疑応答に入りました。
形式は以下の通りです。
 -一人二問まで
 -質問者がマイクの場所まで移動
 -議長が質問内容をまとめてから回答(その際に質問を分割する場合も)
 -回答者はほぼ社長、一部は担当役員

1-1 客船事業の総括。
内藤「アドベンチャークルーズ、クリスタルクルーズを売却し現在は飛鳥クルーズのみ。難しい事業だったが、客に直接サービスを行う唯一の事業として貢献した。また郵船グループのブランド向上にもつながった。ざっくり言うと収支はトントン」
1-2 ザ・クルーズクラブ東京について。
内藤「クリスタル・クルーズ社を売却してクリスタルの名が使用できないため改名した。まずまずの収支。客に喜んでもらえる事業として気を引き締めてやっていく」
1-3 飛鳥Ⅱの後継は?
内藤「飛鳥Ⅱは現在26年目でまだまだ活躍できるが一部老朽化が進んでいる。飛鳥という名前は高いブランド力を有している。日本籍船のため後継船に関しても日本の造船所でとは思っているがまだ結論は出てない。いずれにしても後継を考えなければならない。客船事業はコアビジネスの一つとして続けていく」
2-1 株価が低迷している。
内藤「誠に申し訳ない。中期経営計画で掲げるように事業の安定化やプラスαのビジネスを通じて企業価値を向上させる。投資先として魅力のある企業だと積極的にIR活動も行っていく」
2-2 事業継続計画について。南海トラフ地震が起きた際の対策は?
吉田取締役「リスクマネジメント体制や危機対応は毎年見直している。定期的な訓練や各部署ごとで対策をとっている。東京オフィスの代替用事務所は用意してある。データセンターに関しても震災に備えている」
3-1 来期の業績について。売上げ高の減少幅の割に営業利益や経常利益の減少が大きい。
内藤「郵船ロジスティクスは海運市況の影響を受けにくいので維持している。一方で海運市況は非常に厳しく簡単に改善しない。運賃安定型の事業を伸ばしており、現在は海運市況から影響を受けないような体質に変わっていく過渡期にある」
3-2 連結と単体を比べると、子会社が頑張っている一方で親会社の事業には甘さがあるように見える。
内藤「連結で会社を見るのが日本でも世界でも主流。単体だけ悪いという意見は理解できるが、子会社を合併するなどすれば持ってくることも可能。単体の収支はコンテナ船事業とドライバルク船事業が大きく押し下げている」
4-1 中計で定めているROE12%を達成するまでの道筋について。LNGや海洋事業へ投資することの効果が見えてこない。
内藤「運賃安定型事業は伸びており目標に乗っている状態。市況に左右される分野は想定を超える悪さで、申し訳ないが我々でどうしようもない。現在構造改革中で安定型を増やし市況左右型を減らす努力をしている。原油価格の下落は関係ない。基本的には長期契約をしたものに投資している。例えばアメリカのシェールは15年~20年の長期契約。価格下落によるプロジェクトの遅延等はあるが用船料はもらっている」
4-2 ROE目標が達成不可能であればちゃんと書き換えてほしい。
内藤「今の市況は最低な状態。この市況が何年も続くことをベースにして中計を書き直すのは難しい」
5-1 雑誌の選択に『日本郵船に「融資詐欺」共謀疑惑』という記事があった。経緯が知りたい。
内藤「心配かけて申し訳ない。郵船が借りている船主と融資している銀行の間で融資詐欺事件があり、それに関与しているのではという内容だった。内部調査を進めており、現在までのところ不正に関与している事実もないし認識もない。そういった事件を惹起したように思われてしまったことはけしからんので身を正していく」
6-1 飛鳥ⅡのテレビでNHKが映らなかった。Wi-Fi環境もよくない。
内藤「今後改善するよう検討していく」
6-2 飛鳥Ⅲを建造しても飛鳥Ⅱを処分せずに使い続けてほしい。
内藤「将来のことなので何とも言えないが活用に関していろいろな可能性を追求したい。一隻は日本中心でもう一隻はアジアというのも一つのアイデア」
7-1 飛鳥クルーズについて。どのようなクルーズに需要が大きいのか知りたい。また飛鳥Ⅱのスタッフについて。
水島取締役「世界情勢やテロの可能性から2016,2017年は世界一周クルーズを中止している。日本近海やアジア太平洋でカバーしていく。夏場やお祭り関係が人気で大相撲クルーズのような企画物も行っている。年間3万人弱が利用。飛鳥Ⅱクルーの総数は450人強、そのうち日本人が130人程度で残りは外国人。国籍は多様」
8-1 鉄の供給過剰が問題になっている一方で中国の鉄鉱石輸入が増えている。
左光取締役「指摘の通り。中国の生産過剰解消のために生産規模は減少傾向にある。一方で鉄鉱石価格が低迷しているため中国産鉄鉱石よりも安くなっている状況。中国の鉄鋼企業が輸入物に組み替えている。昨年の中国の輸入量は8億トンだったが今年はこのまま伸びると9億トン近くなる。郵船としても若干増えている」
9-1 人材育成について。広い事業をローテーションすることで専門家が育ちにくいのでは?
内藤「人材を育てるモチベーションを高める。一つの部門だけで育つことによる弊害とローテーションにより広い視野を養うことの間を行く。当社では三回はいろんな部門を回って行き、その間に資質を見抜きその後専門性を重視して育てている。専門性を高めつつジェネラリストを育てる」
9-2 カルテルについて。
内藤「130年以上にわたって海運同盟が認められていて独占禁止法の適用除外になっている。その枠を超えていたと当局に認定されてしまった。もう二度と起こさない」
10-1 5号議案(業績連動型株式報酬制度)についての見解を岡本取締役に聞きたい。
内藤「コーポレートガバナンスコードで強く推進されている。株主との利益の共有や持続的な成長に繋がる」
岡本取締役「制度導入に対して大変賛成している。制度によっていっそう株主の利益に沿って仕事をしてくれるはず。会社価値全体を上昇させていくことが目に見える形になっていて理にかなっている」


最後に新任取締役の挨拶が行われました。
12時10分頃閉会しました。


業績はアレですが総会の方は毎回安定感があります。
株価低迷の質問は出てきても、他で見られるような攻撃的な物言いや罵声大会は開催されません。
皆さん紳士的で冷静に質問を投げ掛けていきます。

ただ今日は一度だけ大声が飛んだ場面があって、それは質疑応答ではなく5号議案の説明でした。
複雑な仕組み(召集通知3ページ分)ということもあって説明が長くなっていたところ、「話長いよ!それなら事業の説明しろよ」と怒られていました。
(前方スクリーン見ると社長動揺しててちょっと可哀想だったな)
でも正直誰もが「よく言った」と思っていたところです。
質疑応答までの時間的には昨年と変わらないんですよね。
それなのにダレてたのは株主的には自分に関係のない話を延々とされたところで、やはりどうでもいいということですかね。

他の総会ではあそこまで詳しくは説明しないのですが今回は真面目にし過ぎた感じです。
会社側とすると総会できちんと説明したというアリバイが欲しいでしょうし、しれっと進めたら進めたで文句言われるジレンマなのも理解できますが。
皆聞かないだろうなと思いつつ事務方が原稿を書き、興味なさそうな株主を眺めながら社長が読み上げ、早く終わらないかなと株主は待っていたと思うと悲しい事件ですね。
この誰も得しない感じは日本という国の不幸な体質がよく現れている一件だったなと感じます。

それにしても郵船の社外取締役はテレビのコメンテーターで見るような方ばかりですね。
この方向性はちょっと面白い。

話変わりますが、見ての通り郵船に出席したため今年はアステラスへは行けませんでした。
6月になってからは記事へのアクセスも多かったので自分でもかなり残念ですが。
今思うと先にアステラスへ行って途中で抜け出しても、郵船の質疑応答には余裕で間に合ったのでそれもありでしたね。
お土産情報があれば記事としては9割型成立するわけですし。
今度からもう少し柔軟的に考えるかもしれません。


お土産は先渡しです。
昨年までと同様に飛鳥のタオルセットでした。
飲み物は紙パックのお茶です。
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不定期更新。
文章力には期待しないで下さい。
大きな掲示板では晒さないで頂けると嬉しいです。
2021/07/01
やる気が尽きてきており今後の更新はかなり怪しいです
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