セリングクライマックス

株主総会や投資家向けイベントの報告ブログ

化学

デンカ 第162回定時株主総会

デンカ[4061] 第162回定時株主総会
場所:コレド室町 日本橋三井ホール
日時:2021年6月22日(火) 午前10時


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デンカの株主総会出席は10年連続10回目です。

出席者数は15名程度です。

議長は今井社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです
・監査報告(綾部取締役)
・事業報告(ナレーション+スライド)
・対処すべき課題(今井+スライド)
・議案説明(今井+スライド)
・質疑応答 10時20分~
・議案採決
閉会は10時40分です。

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質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者の下まで係員がマイク持参
-1人1問まで

1-1 中期経営計画Denka Value-Upの環境Value-Upについて。具体的な取り組みを教えてほしい。
今井「2050年にカーボンニュートラル,2030年に温室効果ガス50%削減の目標を昨年に打ち出した。具体策としては、①多数保有している水力発電所を更に増強。今年になって新しい水力発電所(新青海川発電所)が稼働しており、来年は北陸電力とのJVで新たに(新姫川第六発電所)動き出す。青海工場と千葉工場にある火力発電所も高効率のガスタービンに転換してCO2削減を図る ②CO2の捕集,固定化,再利用の技術を磨く ③事業の中にはCO2を多数排出するものもあるのでポートフォリオを変革していく」
2-1 先日の株価急落について。
今井「株価水準に関しては私からコメントできない。中計はスペシャリティー化が中核で、重点分野である環境エネルギー,ヘルスケア,高付加価値インフラに事業資源を集中させる。昨年もコロナ禍でありながら376億円と最高の営業利益を達成できた。今年度も営業利益420億円を想定、最終年度も中計目標の下限ではあるが営業利益500億円を達成できるよう着実に進展。株価は市場が判断するものだが、当社としては事業計画は着実に進んでいると自信を持って経営している」
3-1 対処すべき課題に"これからの社会においては本質的な価値をもたらすものしか生き残れない"とあるが、この結論に至るまでの具体例があれば教えてほしい。
今井「このコロナ禍でピーク時は8割が在宅勤務だった。一方で生産現場ではどんなときでも出社しなければならない。本当に大事なものは何か考えた。当社としては製品を通して社会に貢献していく。当社が世界で一番上手にできる仕事で社会に報いていくのが今後進めていくべき姿」
4-1 素晴らしいことをやっているのにBtoCが弱いから国民に伝わっていないのでは?
今井「基本的にはBtoBで事業展開している。昨年はコロナの迅速診断キットをいち早く市場に供給できた。客は医者や施設ではあるものの、最終製品を販売することができたのは今までとは違う展開。10分で抗原検査の判定をできる極めて優れた製品なのでそれで知名度を上げていきたい。何が一番上手くできる仕事なのか考える上でBtoCでも積極的に展開していく」
5-1 事業内容と発展性をもっとアピールすべき。
今井「IR活動には極めて力を入れている。今月も数多くのプレスリリースを出している。自分が先頭に立ってIR活動をやっていくので期待してほしい」

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総会巡りへの情熱がまったく回復しない上に、招集通知に"極力出席は控えて"と書かれていましたが、やっぱりデンカは行っておきます。
そしてついにデンカ総会出席が10年目の大台に乗りました。
このままブログをぶん投げたとしてもキリが良いですね。

昨年同様に新型コロナ対策が施されての総会運営です。
入口では手の消毒とサーモグラフィーカメラによる検温がありました。
会場内の座席は大きく間隔を空けての配置され、総会自体はできる限り短縮といった具合。
なおネットでの質問募集やライブ配信は行われませんでした。

社長交代で今井社長による初めての司会進行でしたが、問題なくスムーズにこなされて良かったです。

あとは今年も会場前で抗議運動が行われてました。
ルイジアナ州のクロロプレンゴム工場の件ですね。
それに対して本日付で会社側からリリースが出されていたので貼っておきます。

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お土産や飲み物はありません。
招集通知にその旨の記載があります。
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デンカ 第161回定時株主総会

デンカ[4061] 第161回定時株主総会
場所:コレド室町 日本橋三井ホール
日時:2020年6月19日(金) 午前10時

[2021年の記事はこちら]

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デンカの株主総会出席は9年連続9回目です。

出席者数は20名程度です。

議長は山本社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・挨拶(山本)
・監査報告(綾部取締役)
・事業報告(ナレーション+スライド)
・対処すべき課題(山本+スライド)
・議案説明(山本+スライド)
・質疑応答 10時18分~
・議案採決
閉会は10時21分です。

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質疑応答の形式は以下の通りです。
-1人1問まで

質問は一件もありませんでした。

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出席かなり抑えめの今年でもデンカは出ないわけにいかないので。

新型コロナ対策としては他社同様に手の消毒,マスク着用の徹底,サーモグラフィーカメラによる検温がありました。
会場内の座席も前後左右4席分くらいの間隔を空けての配置だったので、普段に比べかなり少なめだったものの、それで十分でしたね。
総会進行でも短縮化が行われました。
例年の質疑応答では会社全体のものを受けた後に議案を説明してその都度を受けるデンカ特有の形式だったのが、統合されて一般的な総会の形式に。

市場では一時アビガン銘柄として騒がれましたが、そんな影響も一切なくガラガラです。
質問も出なかったのであっさり終わりました。
議長が「せっかくの機会なので」と質問を促す恒例の光景も今年はさすがになかったです。

なお一部の企業で行われているようなネットでの質問募集やライブ配信はありませんでした。
このくらいの規模の企業でも慣れてないとなかなか難しいのかもしれません。

今日は会場前の道路で抗議運動も行われてました。
自分もビラをいただいたので読んでみると、招集通知の対処すべき課題にも載っているルイジアナ州のクロロプレンゴム工場の件でした。
地下鉄駅直結の施設なので路上だと株主は気付きにくいのですが、会場の向かいがデンカ本社なのでその意味もありそうです。

来年こそはいつもの総会が戻りますように。
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お土産や飲み物はありません。
招集通知にその旨の記載があります。
載せる写真が何もないので会場でもらった注記表を。
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資生堂 第120回定時株主総会

資生堂[4911] 第120回定時株主総会
場所:帝国ホテル 孔雀の間
日時:2020年3月25日(水) 午前10時

[2021年は不参加]

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資生堂の株主総会出席は8年連続8回目です。

出席者数は事務局発表で297名です。

議長は魚谷社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・監査報告(吉田監査役)
・事業報告(動画)
・社長プレゼン(魚谷) 10時14分~
 -中国事業説明(藤原常務)
・議案説明(魚谷) 10時31分~
・質疑応答 10時36分~
・議案採決
・新任,退任役員紹介
閉会は11時24分です。

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質疑応答の形式は以下の通りです。
-1人1問まで
-係員がマイク持参
-議長が質問をまとめてから回答役員を指名
-8人目終了時に残り1名と予告

1-1 新型コロナウイルス流行によるインバウンド客減少への対策は?
堀井執行役員「渡航禁止令により外国人観光客の来店数は減っているが、ビューティーコンサルタントはできる限りの対応をしている。コロナが落ち着いた後の対応をマーケティング部門と検討しており、店頭では今まで以上のサービスをしていく予定」
魚谷「中国の方々に資生堂がより信用される会社になることが重要。2月から中国でキャンペーンをしており武漢の医療従事者に寄付も行った。化粧を楽しんでもらうためのイベントを開催するなど資生堂を知ってもらう活動も」
2-1 コロナ流行によってゲームチェンジが起こるかもしれない。自動メークアプリ"TeleBeauty"のような新たな取り組みも行われているが、今後の資生堂の戦略についてどういった議論がされているかを社外取締役から説明してほしい。
石倉取締役「これからの美はどうあるべきか、どうすれば世界を美で変えられるかをかなり議論している。急激な変化の中でどう対応するかはもう少し議論をする必要がある」
魚谷「デジタルテクノロジーが様々な業界に影響を与える。TeleBeautyもその一環。アメリカや中国では若年層が化粧品を選ぶ際にテクノロジーが購入行動に影響する。しかしながら客の肌の状況はひとりひとり違うため、最後のところはヒューマンタッチがいる。どちらか一方になるというわけではなく多様化が進んでいく」
3-1 巣ごもりによる購買行動の変化とリスク管理について説明してほしい。
島谷副社長「コロナ対策としては社員の安全を第一として在宅勤務や時差勤務を原則化。店頭ではマスク着用や消毒をしている。これらは客の信頼を得るための活動でもある。在宅によって化粧行動についても変化が起きている。客のニーズに敏感に対応してお役に立つことが使命」
魚谷「店頭のビューティーコンサルタントに聞くと『目のメークアップをしっかりとしたい』という客が増えている。またマスクによる肌荒れを訴える客も多い。そういったことへの対策もプロモーションできないかと考えている。この週末は店頭にも結構客が来店している。しっかり捉えながら適時できることをやっていく」
4-1 SDGsの17項目で何を重視しているのか教えてほしい。
青木取締役「環境と社会、文化的な分野で強力に活動している。製品の中でパッケージが大きな割合を占めているので9,10,14番。プラスチック材料を減らすために詰替えや付替えは今までも続けてきた。最近はリサイクルやリユース,生分解性の活用も。2025年には全てのパッケージに適用する。紫外線ケアとしては3,13番、気候変動対策として6,11,12,13,14番も。社会分野ではジェンダーの平等を中心として5,8,10番。社員の8割が女性であるため女性の活躍する企業としてはパイオニアでありたい」
魚谷「資生堂らしさという点では5番。男女平等だけでなく国籍や障害など全体で多様性を高めた先進企業に」
5-1 企業CMや招集通知の表紙にメガネをかけた少女が採用されているが、メガネを推奨するという意図か?
魚谷「環境問題に対して関心を持つ若い世代が増えている。次の世代に対して美しい地球環境を残す責任があると思い、初めて若年層を採用した。メガネを推奨するという意味ではなく多様性の表現のために使った」
6-1 エイジングケア商品の方向性について説明してほしい。
魚谷「資生堂の強みは40代以上の女性に信頼されていることなので更に強化していきたい。美と健康はオーバーラップしてきている。内外の全体的な美を実現することは資生堂がもともと掲げてきたこと。資生堂の"The Collagen"は日本で一番シェアが高い。化粧品がメインではあるが、その延長線上としてトータルで美を提供できるように考えていく」
7-1 投資有価証券について。関係会社株式が大きく減っているが事業への影響は?
クームスCFO(通訳あり)「上場銘柄を含め株式を保有しているが、2019年は29から6銘柄に削減した。定期的にレビューを行い、事業にとって必要なのか見直しをしている。もちろん保有するメリットが資本コストを上回る必要がある。2019年は有価証券の簿価を上回る時価で売却できた」
魚谷「事業に大きく影響を与えるような関係会社の売却はやっていない。構造改革でどうしても収益性を見込めない際は売却もあり得るが、事業の根幹をなすような売却はない」
8-1 第4号議案の長期インセンティブ型報酬制度をこのタイミングで導入した理由は?
魚谷「2019年から導入している。今年からの3カ年の分を提案している。もともとは1円ストックオプションをやっていたが、見直して昨年から変更した」
9-1 化粧品の評価について。他社製品との比較は行っているのか?
吉田執行役員「大変意識をして開発をしている。商品開発部門と研究開発部門が連携して、自社他社の既存製品と比べて使用感や効果が得られるかをテストを繰り返し、勝った商品を提供している」
魚谷「ブラインド調査も行っている。嗅覚の強い社員によってワインのテイスティングのようなテストも」

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かなり迷ったのですが結局出席です。
6月に次ぐ株主総会シーズンではありますが3月はもう行きません。


資生堂総会は毎年2000人弱が出席するマンモス総会です。
それもこれもお土産という要因が大きいのでどう対処するのかなと思っていました。
そして届いたのが18日付の例のハガキです。
廃止によって来場者を減らそうとする企業もある中で、資生堂は権利行使者全員にお土産を郵送という大盤振る舞いな対応でした。
(いわゆる平和不動産スタイル)
以前から思っていましたがこれが日本のスタンダードになればいいのに…

そして本日の総会です。
いうまでもなくこれまで出席してきた株主総会とはまるで様相が違いました。

招集通知にも予告がありましたが会場で気になった点を羅列すると
-スタッフは全員マスク着用
-各所に消毒用アルコールを準備
-会場へ向かう通路にサーモグラフィーカメラ
-飛沫感染対策で宝くじ売り場のような受付
-配布資料のファイルにマスクを添付
-会場内のイスは2脚分くらいの間隔を空けて設置
といった具合。

総会進行では大きく時間短縮が図られました。
資生堂総会の一番の特徴ともいえる魚谷社長のプレゼンは15分程度に。
株主の前に降りて手振り身振りで話すスタイルも今回は封印され、終始議長席からの説明でした。
またその途中には中国地域CEOの藤原常務が上海からライブ中継で参加したり、封鎖されているイタリア法人CEOからのメッセージ映像といったものもありました。

質疑応答も短縮気味でした。
役員もマスク着用なので回答するときだけ外す形。
また質問者のマイクはその都度消毒しているとの説明もありました。

例年行われていた展示も中止のため、閉会後は皆さん速やかに撤収という感じ。
ちなみに株価はえらい下がってますが総会の雰囲気は悪くなかったです。

資生堂の総会運営力はやはり凄かったなと。。。
株主総会ウォッチャーとして貴重な経験になりました。

ちなみに資生堂は公式サイトで事業報告やプレゼン部分の動画を毎年公開しているのでどうぞ。

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お土産は郵送です。
飲み物は水のサービスがありました。

2020/05/20追記
報告遅れて申し訳ないです。
4月25日に資生堂からお土産が届きました。
"すっぴん純白クリーム","専科パーフェクトホイップu","すっぴん磨きクレンジングシート"でした。

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旭化成 第128期定時株主総会

旭化成[3407] 第128期定時株主総会
場所:東京會舘 ローズ
日時:2019年6月25日(火) 午前10時

[2020年は不参加]
[2018年の記事はこちら]


旭化成の株主総会出席は2年連続2回目です。

会場内の出席者数は800名程度でした。

議長は小堀社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・監査報告(小林監査役)
・事業報告(動画)
・対処すべき課題(小堀+スライド)
・議案説明(小堀+スライド)
・質疑応答 10時34分~
・議案採決
・新任役員紹介
閉会は12時13分です。


質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問希望者は出席票(色付き)を掲示
-質問者がマイクまで移動
-1人2問まで
-議長が質問をまとめてから回答
-8人目回答後に残り2名と予告(後に1名追加)


1-1 米中貿易戦争について。自動車関連事業での影響を知りたい。
吉田副社長「米中摩擦による当社製品への直接的な影響はほとんどない。間接的な影響として中国経済減速が懸念され、足下でもその影響は少し出ている。より注意深く見守り適切な対応をとる。しかしながら中国の自動車市場は全世界の30%を占める巨大なマーケットなので事業拡大は積極的に行なっていく。コンセプトカーAKXYは中国の一番大きな展示会に出展し、自動車メーカーからも大きな興味を示していただいた」
小堀「関税が注目されているが、もう一つの側面として技術覇権の問題がある。アメリカ固有の競争優位性のある技術を使った製品の輸出規制を強化する動き。中長期の投資戦略で慎重にしていく必要がある。アメリカと組んで新製品を開発しても技術内容によって中国に輸出できないこともありえる」
2-1 棚卸資産が前期に比べて大きく増加した理由は?
柴田副社長「住宅事業の受注が好調だったため住宅関係の資産が増えている。また事業が拡大する中で一部マテリアル製品の在庫積み増しも行った。昨年後半から世界経済の減速感はあるが、事業環境悪化により在庫が積み上がったのではなく、好調な事業による健全な在庫だと理解してほしい」
2-2 連結キャッシュフロー計算書について。[詳細聞き逃しました]
吉田「詳細な説明は勘弁してほしい。変化はあるが事業は好調だった。設備投資が増えているのでキャッシュフローは多少悪化しているが、D/Eレシオは0.31。事業が拡大する中でキャッシュフローは回収可能」
3-1 社外取締役が自社株を保有しているのは中立性,独立性の観点から問題があるのでは?
白石取締役「社外取締役3名とも株式を所有している。株主と同じ価値観を持ちながら会社経営を監督する。それぞれ独立した立場であるべき。貴重な意見」
小堀「岡本氏は事業経営、立岡氏は産業振興行政、白石氏は学術からの視点で貴重な意見をいただいている。3名が所属する企業や団体と当社との取引は非常に限られており独立性は保っている」
3-2 住宅事業における現場作業員への法令遵守教育について聞きたい。
川畑専務執行役員「旭化成ホームズが請負事業を担当している。本社に施工本部があり統括と教育指導をしている。各営業本部の技術部でも施工管理の法令指導を行っている。レスポンシブルケアの観点からもダブルでチェックする形を取っている」
4-1 新中期経営計画について。ヘルスケア事業の高い成長率目標をどう実現するのか?人材や資源の配分は?
坂本取締役「前期の売上高のうちヘルスケアは15%の3100億円で、第3の柱としてはまだか細くもっと太い柱にしたい。ゾールメディカルは事業の大半が海外、旭化成メディカルも3分の2は海外、旭化成ファーマは研究開発ではグローバルで活動している。国内はあまり大きな成長は期待できないが事業は守っていく。成長の観点からはアメリカやヨーロッパ,中国を中心にした既存事業の拡大が第一。合わせてM&Aによる外からの事業の取り組みも課題。当社事業の周辺領域やヘルスケア全体としてM&Aをどうするか検討している。中計では8000億円の投資計画だが、相手もあるので幾らをヘルスケアに充てるかは言えない」
小堀「前中計6700億円の投資のうち拡大成長投資が3500億円で、自動車,環境エネルギー,住宅に大きく充てた。ヘルスケアも検討したが日本政府が医療費の削減を行い環境が変化した。M&Aについても相手がある話なので大きな金額をかけられなかったのが3年間の実態。今後はヘルスケアを第3の柱にする基本方針。医薬品と医療機器の2つの分野を持っていること、日本とアメリカの塊を持っているという特徴を活用しながら成長拡大していく」
4-2 投資有価証券に対する今後の方針を教えてほしい。
柴田「投資有価証券の3000億円弱ほとんどは政策保有株。共同開発や事業提携などの事業上の理由。保有の意義や含み益を評価しながら有効に活用されているか見ている。保有意義が薄れたものは順次売却をしている」
5-1 指名諮問委員会について。招集通知を見ても誰が委員長かわからなかった。また後継者育成の実態は?
小堀「社外取締役3名と代表取締役2名で構成。委員長は自分が務めているが、人選は社内を幅広く知っている人間が中心になって議論を進めたほうがわかりやすいため。一方で独立性確保のため過半数は社外取締役にした。年に2,3度開催し、取締役会の構成や取締役候補者の選任,指名方針の審議を行っている。事業が多岐にわたるため執行を担う人材をグループ役員として選任している。性格や構想力,論理性などを議論してメンバーを抽出し、指名委員会と取締役会で承認する。不透明で大きな変化が求められる世の中では強力なリーダーシップで引っ張って行くのではなく、多くの人間が議論しながら行動していく専門家が集まったチームとして運営していくことが重要。その次の世代のメンバーを執行ポストで育成している」
6-1 社内出身の女性役員がいない。
小堀「旭化成グループとして女性活躍の推進には注力している。女性の総合職採用が始まったのが1991年からなので残念ながら役員候補者の年齢に到達していない。事業部長クラスには何人かいる。係長クラスでは全体の12%強。新卒ではここ数年の20~25%が女性。女性社員が活躍する場の積極的な提供や多様な働き方などの制度充実を図り、働きやすい環境作りに取り組んでいる」
7-1 骨粗鬆症薬テリボンについて。海外の展開は?
坂本「旭化成ファーマは規模は小さいが特定の領域でNo.1を取っていく。注力領域は整形外科領域と救命救急領域だが、アメリカの骨粗鬆症治療薬はすでに大手の先行薬がありジェネリックも出ている。試算はしたが投資採算に合わない。患者の命を助け生活の質を向上させるミッションとグローバル展開を考え合わせて今後もしっかり考えていきたい」
8-1 石油化学の今後の方針は?
吉田「マテリアルは全体売上高の55~60%を占めている重要な領域。石油化学はナフサからモノマー,ポリマーというストリームがある。さらに加工度を上げたリチウムイオンバッテリーセパレータのような付加価値を高めたストリームもある。高付加価値事業の集合体を目指すために、マテリアル事業でも付加価値を上げたところにリソースを傾斜していくのが基本方針。アクリロニトリルは世界では2番の事業。環境や地域戦略を考えながら適時力を入れていく」
小堀「汎用事業は収益基盤の安定化を図っていくのが基本方針。しかし石油化学なくして加工品の事業はなりたたない。競争優位性を持った石油化学に関しては環境に優しい生産プロセスの開発、生産効率の高い触媒開発などで競争優位性を維持し供給を図っていく」
9-1 長期保有しているのに株数が増えていない。
小堀「東証の推奨もあって単元切下げを行った結果、個人株主が増えたが比率はまだ14%程度。IR活動を充実させ当社をご理解いただき幅広く認識してもらえるよう取り組んでいる。営業キャッシュフローを上回る投資計画を行っており、資金調達のために財務の健全性は重要。D/Eレシオ0.5を目安に資金調達。資本効率を高めた経営も重視。株主還元は安定かつ継続的な増配の方針の下で、17年ぶりの自社買いも実施し過去になかった高い還元を行っている」
9-2 水素エネルギーへの取り組みについて。
高山副社長「当社にとっても水素エネルギーは非常に重要なアイテム。近年はヨーロッパで有用性が強調されており、海外プロジェクトに参画しつつ水素の有用性や何ができるかを実証している。国内では福島の浪江に実証施設がある。エネルギーを蓄える,運べる重要な物質として、人と資源をかけて開発を進めている」
10-1 日経新聞に旭化成ファーマの青木社長の記事があった。
小堀「今日の総会には出席してない。課長時代の仕事内容が記載された。独自開発の血液凝固阻止剤を臨床から治験フェーズ、事業化までこぎつけた。治験のころに継続するかの経営判断もあったが、彼がやりつづけた結果事業化にこじつけた。現場担当者の熱意や思いが重要であるという事例。社員が高いモチベーションの下で会社に貢献していくという思いを持って仕事に取り組める環境を作り上げることが大事。彼の経験が今後の旭化成ファーマの経営に活かせる」
11-1 グループ会社へのガバナンス体制を知りたい。
小堀「リスクコンプライアンス委員会を杭問題発生後に新設。委員長には自分が就任。三様監査を行い内部監査の状況や内部通報制度の運用を行いながら活動を充実させ内容を取締役会に報告。特に買収した会社のリスク管理ではいち早く現地で状況確認も行っている」
11-2 訴訟問題の現況は?
柿澤取締役「心配かけて申し訳ない。2017年11月に横浜のマンションを販売した三井不動産レジデンシャルが施工を担当した3社に対して全棟建替え費用の損害賠償請求を起こしている。すでにマンションは解体され杭も引き抜かれて調査中。新しいマンションも着工。裁判は現在8回開かれているが実質的な審議は始まっていない。ここ1年は実質的な進展がなくまだしばらく裁判に時間はかかる。係争中なのでこれ以上は控える」
小堀「当社がどれくらいの負担を負うのか予測つかない。しっかりと主張をしてそれなりの判決に待っていきたい。金額の見込みがないので引当ては行っていない。積極拡大投資の支障になることはないと理解し機関投資家にも説明している」
11-3 取締役会の招集手続きはどうなっているのか?
白石「定例の取締役会は月1回ある。M&Aなど非常事態があるときは議長から招集がある。効率的で十分な議論を尽くしていると認識」
小堀「機動的な開催を心掛けている。充実した意見を賜っている」

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昨年で味を占めた自分は今年も旭化成に向かいます。

最近は見ることが少なくなっていた、お土産を回収された方々が途中でバンバン帰る総会でした。
会場内の入れ替わりが非常に激しいです。
なので出席者数の推測はとても当てにならないと断っておきます。

社外役員の株保有については難しいですね。
普段は「社外役員も株主の目線を持て!痛みを知れ!」とゼロ保有の役員が批判される場面ばかり見ますが、今回は逆でした。
これに関しては正直個人的な感覚の問題だと思うので答えがないです。
自分は別に持たなくてもいいかなーって感じです。

マイクロプラスチックの質問は出なかったですね。
また予想が外れた。

3月のAGC総会に続いての東京會舘でした。
個人的にはパレスホテル東京に次ぐお気に入り会場になりそうです。
やっぱり駅近で綺麗は正義。あと椅子もいい。

ちなみにお土産もらえる総会は今日が最後です。。。

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お土産は先渡しです。
昨年までと同じく自社製品の詰め合わせ(サランラップ2種類,クッキングシート,Ziplocフリーザーバッグ,Ziplocスクリューロック)です。
飲み物はミネラルウォーターのペットボトル(東京會舘仕様)でした。
そういえば看板なかったなあ。
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日立化成 第70回定時株主総会

日立化成[4217] 第70回定時株主総会
場所:虎ノ門ヒルズフォーラム メインホール
日時:2019年6月21日(金) 午前10時

2017,2018年は不参加


日立化成の株主総会出席は3年ぶり2回目です。
今日も数分遅れて到着しました。

出席者数は150名程度でした。

議長は丸山社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・監査報告(大戸取締役)
・事業報告(ナレーション+スライド)
・品質不正問題への対応(丸山+スライド)
・対処すべき課題(丸山+スライド)
・事業に関する質疑応答 10時28分~
・議案説明,採決
閉会は11時39分です。


質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問者の下へ係員がマイク持参
-特に制限なし
-議長が内容をまとめてから回答
-追加質問が可能

1-1 不正問題への対応について。総会で説明した内容を他の株主のためにもWebで公表すべき。また取締役会での対応は?
丸山「ご心配かけたことをお詫びする。他の株主に対するアカウンタビリティについては貴重な意見なので検討する」
平野執行役「特別調査委員会で原因を追求してきた。委員会が挙げたのは①全社的な組織風土②現場での品質に対する意識③品質保証に対する組織体系④不適切行為を予防,発見する仕組みが不十分。これらへの対策を織り込んだ再発防止策を確実に実行し信用を取り戻す」
大戸「特別調査委員会の報告書はたいへん厳しい指摘。監査委員会としては再発防止策がしっかり出されているかを確認検証する。自分の経験からは不祥事は企業風土,内部統制,モラルなどが関係してくる。経営理念を徹底することが重要」
豊嶋常務「前期は下期中心にバッテリーで30億円相当の売上げ減少。回収で10億円,人員増や歩留まり悪化で累計で30億円,特別調査委員会の費用でも10億円を計上した。今期は費用30億円相当を織り込んでいる。人件費増加や歩留まりが改善していない。現在は客と仕様書の見直しを行なっている。IT投資を進めて費用の縮減を図っていく」
丸山「現場に足を運び従業員に寄り添って解決する。納期や原価低減のプレッシャーなど生の声が届いている。一つ一つ解決して繰り返さない体制を作る」
1-2 日立製作所による日立化成株の売却報道について。日立グループとしてではなく自立した経営方針を述べてほしかった。売却に向けた活動を聞きたい。
吉田寛執行役「日立化成としては4月25日にコメントを出した。報道内容は当社から発表したものではない。従来から継続的に日立化成グループを企業価値を向上させるべく取り組んでいる。中期経営計画にしっかり取り組んでいく。2ヵ月経った現時点でも変化はなく株主に報告すべき事象はない」
田中取締役「心配をおかけしている。取締役会は経営がきちんと実施されていることを監督,助言する。受託者責任をしっかり持って株主価値を最大化する」
丸山「お騒がせして恐縮。いかなる形であっても企業価値の最大化に向けて努力していく」
1-3 自立できる道を取締役会として決断できなかったのか?
丸山「報道内容は日立製作所を含めて発表した事実はない。従来からいろいろなシミュレーションは検討してきたが、今日現在で株主に説明できる内容はない」
1-4 グループを抜けても中計の実行は担保できるのか?公知されてる事実なのでそれに向けて取り組んでいくのが取締役会の役割では?
吉田寛「日立化成としては日立化成グループの価値を最大化する。本日時点で決まったものはないのでこの場で発表することはできない」
丸山「仮定の話へのコメントは差し控える。ステークホルダの利益が最大化できるように最善を尽くす」
2-1 内部通報制度はどうなっているのか?
平野「これまではセクハラやパワハラの通報が主だった。品質問題については2件あった。従業員へ品質に関しても内部通報を活用するようにもう一度アナウンスしている」
2-2 人の手を介さない検査の構築なんて不可能では?
平野「ある部分で人が介在するところはある。今回の件では測定データを人が書き換えていた。新システムでは測定データがそのまま保管され合否判定を行い成績書に記載される。人が介在する部分にはダブルチェックをかけるなどしていく」
2-3 役員はもっと現場の話を聞くべき。
平野「役員が事業所やグループ会社を訪問し従業員との対話を進めている。従業員全体で品質の改善に努めていく」
2-4 納入先が許してくれたからと安心するのではなくエンドユーザのことも考えてほしい。
平野「品質レベルの向上には今後も取り組んでいく」
丸山「システムで全てが解決するとは思わない。企業文化として許容してしまう甘えを根絶しないといけない。我々が訪問して個別の面談をして生の声を聴いている。現場に寄り添っていく」
3-1 株価はもっと上がってもいいのでは?
豊嶋「他の化学メーカーと比べるパフォーマンスは良い状況。中計でガバナンス強化と収益基盤の確立を進めている。事業規模は伸びているものの低収益事業がある。構造改革を図って利益率やROICを高め企業価値を高めていく」
丸山「経営者として今の株価でいいとは思っていない。信用回復を通して企業価値を高めさらに上を目指していきたい」
3-2 再生医療製品について具体的な説明がほしい。
吉田誠人執行役「病気や怪我で損傷した臓器や免疫機能を回復させるために、自分の細胞を外で増やし免疫システムも向上させてから患者の中に戻すというもの。現在はがん治療向けと外傷性脳損傷向けの2つの客と取り組んでいる」
4-1 日本電産のような現場の社員と社長を繋ぐホットラインを作るべき。
丸山「内部通報制度が機能しなかった原因を検討している。もっと現場から直接話をもらえるような仕組みを考えたい」
4-2 工場の社員から女子トイレの数が少なくて困っているとの話を聞いた。
丸山「至急持ち帰って検討したい」
5-1 中計の数値目標を聞きたい。
豊嶋「営業利益率5%が一つの尺度。これに満たないものや人的,資金的に優先度が低いものは構造転換をしないといけない。赤字だった先端部品セグメントも営業活動なら100億円程度の利益を出せているが5%を満たしていない。セグメントの中での構造改革を残りの中計で決着をつけたい」
丸山「国際会計基準による営業利益なので特別損失なども含まれている。日本基準の営業利益では7%だったものを10%まで持っていきたい」
6-1 日立御三家のうち日立化成だけが売られてしまう。日立金属(+日立電線)に比べて何が劣っているのか?
吉田寛「根っこは同じかもしれないが、製品や業界が違うから一概に比較は難しい。当社としては2021年に向けて二桁営業率の目標に向けて事業の見極めをしていく。報道はあるが日立化成として公表した事実はない」
丸山「信用回復に向けて全社一丸となって取り組む」
7-1 ライフサイエンス分野について。どのように技術を確立しているのか?
吉田誠「診断薬については2018年1月に協和メデックスを統合して国内基盤を作った。再生医療については2017年にPCT社を事業ごと取り込みサービスを展開。今年にはドイツのアプセスバイオ社を買収し3拠点で受託製造サービスを展開している。再生医療の細胞を増やす培地の消耗剤ビジネスも展開したい」
7-2 新規事業のPRが弱い。
片寄常務「前中計ではオープンイノベーションの体制構築,実行を進めてきた。再生医療を事業ごと持ってきて成長の柱にする。ドイツの断熱部材企業を取り込みを現在国内に広げている。量子ドットフィルムではベンチャーから先端情報を取れる体制を作っている。アピール不足は仰る通り」
丸山「PRや知名度の低さは課題として認識している。高める努力をしていきたい」
8-1 CO2削減の取り組みを聞きたい。
高松執行役「国内事業所や海外グループ会社においてカーボンマネジメントとしてCO2削減に取り組んでいる。前中計では96%に削減することができた。新中計では85%以下にしたい」
8-2 廃プラスチック問題への取り組みを聞きたい。
片寄「廃プラのリサイクルについては技術開発を進めている。バイオプラスチック技術についても研究段階だが検討している」

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当初の予定では今日はADEKA総会でお土産&懇親会ライフを満喫しようと思ってました。
しかし昨日のデンカ総会があまりにあっさり終わってしまったので、2日連続でユルイの(ADEKAはシャンシャンになる可能性が高い)は良くないかと思い変更です。

総会の雰囲気はというと不祥事と売却報道でやはり厳しかったです。

売却報道については予想できたよくある展開でした。
株主からしたら「どうせ決まってるのだから教えろ」と言いたくなるし、会社側は当然「こちらは何も言ってない」と答えるのでまあ噛み合わないですね。

話題のプラスチックの質問が出てくるのはさすが化学企業。
来週も素材系企業に行くのでまた聞くことになりそうです。

虎ノ門ヒルズのホールは今回初めて入りました。
建って数年なので当然ながら中は綺麗ですし、後ろからでもスクリーンはよく見えるので総会会場として適切だと思います。
ただ個人的には昨年までのマンダリンオリエンタルの方が行きやすかった…(ボソッ


日立化成は昨年から株主総会ページで"定時株主総会報告"として一部の質問の解答を載せています。
そちらの方が正確なので一緒にどうぞ(今年の分がいつアップロードされるかは知りません)。

ついでに今日の質疑に関係するリリースのリンクも貼っておきます。

2018/11/22 当社製品における不適切な検査等に関する特別調査委員会の報告書について

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お土産はありません。
その旨が招集通知に記載されています。
飲み物もありませんでした。

アンケート用のボールペンとクリアファイルは貰えたので一応。

IMG_2354
IMG_2358

不定期更新。
文章力には期待しないで下さい。
大きな掲示板では晒さないで頂けると嬉しいです。
2021/07/01
やる気が尽きてきており今後の更新はかなり怪しいです
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