AGC[5201] 第94回定時株主総会
場所:東京會舘 ローズ
日時:2019年3月28日(木) 午前10時

2020年は不参加
[2018年の記事はこちら]

AGCの株主総会出席は4年連続4回目です。

出席者は400名くらいでした。

議長は島村社長が務めました。
総会の流れは以下の通りです。
・監査報告(竜野監査役)
・事業報告(動画)
・対処すべき課題(島村+スライド)
・議案説明(島村)
・質疑応答 10時32分~
・議案採決
・新任取締役紹介
閉会は11時34分です。

質疑応答の形式は以下の通りです。
-質問者がマイク席に移動
-議長が質問をまとめてから回答者を指名
-質問希望者がいなくなり終了

一部の質問を説明する際にスクリーンに映していた思われる資料(AGCグループ中期経営計画“AGC plus-2020” の進捗)のURLを貼っておきます。
7,8,15ページあたりですね。

1-1 5G通信向け製品について。技術開発や他社との協力状況を教えてほしい。
平井CTO「高速通信が可能な5Gは遠隔操作や自動運転においての利用が期待されている。当社は高周波でも電波を喪失しない特殊な材料を持っている。それを複合化するとCCLと呼ばれる基盤の部材になる。他にガラス型の通信基地局や、オングラスの自動車用アンテナの開発を進めている。基地局アンテナはNTTドコモと、自動車アンテナはドコモ,エリクソンと協力。CCLに関しては基礎技術は持っていたものの、高周波基盤のビジネス経験がなかったため米国企業から買収した。本格化する2023年頃までに体制を整えたい」
2-1 収益構造のバランスについて。ガラスセグメントの利益率は低いが今後の方向性は?
宮地CFO「営業利益見ると前期は化学事業が50%を超えている。2020年度においても化学が半分を占める予定でガラスも増益を目指す。売上高で見るとガラス50%,化学30%,電子20%になっている。ガラスの収益性は低いものの非常に安定した事業。勝てる地域にフォーカスし高付加価値製品を出していくことが重要。前期は重油やガスの上昇が影響し、今期は大型の投資があるためコストは大きくなるが、2020年には増益基調に戻せる」
2-2 ROEを高めるにあたって資産効率が悪いのでは?
宮地「投資効率のいいポートフォリオに変える必要がある。戦略事業の利益貢献は前期が17%だが、2020年25%まで増やし2025年には40%を目指す。在庫水準は若干高いので管理を強化している。政策保有株式は事業に関連のない株式は縮減させていて、時価総額も銘柄数も着実に減少している」
3-1 海外事業に関して詳しい説明がほしい。
宮地「売上高で見ると全体1.5兆円のうち1兆円が日本とアジアで、化学セグメントや電子セグメントはほぼ日本とアジアに該当。アメリカは1600億円で主に建築用,自動車用ガラス。欧州は3500億円で建築用ガラスが一番大きい。利益で見るとほとんどが化学事業を展開している日本とアジア。海外事業のマネジメントとしては本社が主導でコンプライアンスや内部統制を制御している。アメリカと欧州では地域のコーポレートの会社があり本社の出先機能としてグループの管理をしている」
3-2 米中貿易戦争など世界情勢が変化する中でどう戦っていくのか?
宮地「一つの地域に偏ったポートフォリオではなくグローバルに展開できている。ある地域で影響があったとしても限定的」
3-3 為替変動の影響は?
宮地「高機能製品は日本から輸出していることもあって円高になると影響」
4-1 利益率を高めていく施策は?
宮地「販管費については今の事業ポートフォリオを考えるとガラスを運ぶ輸送費が大きいので下げるのは難しい。化学や戦略事業といった投資効率の高い事業を伸ばすことでROE10%を目指す。できるだけ投資効率の良い事業に資源を振り向けていく」
5-1 タフポリマーなど研究開発の話を聞きたい。
平井「国家プロジェクトのImPACTに参画し燃料電池の膜材料の強度を上げる研究をしてきた。従来の5倍強度が高い膜を開発し昨年発表した。燃料電池の基幹部分をコンパクト化する一歩になっている。将来に向けたものでは動物細胞を使ったバイオはすでにやっているが、ヒト細胞による細胞医学や遺伝子治療,再生医療に使われる基幹材料を提供できるよう取り組んでいる」
6-1 働き方改革の取り組みは?
簾常務「管理者と部下の十分なコミュニケーションや日々の就業管理、滞在時間管理システムの導入などを行ってきた。少なくとも4月の労働基準法改正後のルールは守られている。社員の力を最大限発揮するために無駄な業務の見直しやITによる効率化、在宅勤務制度の拡充もしている」
7-1 化学セグメントの不安材料は?アジア地域に競合が参入してくる心配はないのか?
根本専務「化学事業は東南アジアでの連続的な成長投資を行っている。ASEANでのクロールアルカリ事業は生産者シェアでは70%を超えている。安定供給や物流,サービスで客から評価されるよう進めている。差別化して先行し強固なものにすることで他社が入るのを諦めるような事業にしたい。今のところ中国やアメリカ企業が製造拠点を置くような動きはない」
8-1 会場の外で抗議運動が行われていたがAGCに関係するものなのか?
島村「韓国子会社が請負先との契約を解除したことで、請負先の元従業員から訴訟を起こされている」
小林常務「プラズマテレビ用ガラス事業の終了に伴い、従業員の雇用を確保するためにAGCファインテクノ韓国が受け入れを行い、請負先との契約を解除した。請負先が整理解雇を実施し、解雇された元従業員がAGCファインテクノに対し訴訟を提起している。解約に当たっては相応の補償金を支払う措置も行っており適切な対応をしている」


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今年もガラス企業の総会ストーカーとして頑張るつもりです。

今回は会場が変更になりました。
東京會舘のある丸の内二重橋ビルは昨秋に開業したばかりなのでとても綺麗です。
(建て替え前の東京會舘には入ったことがないので比較はできないけど)
駅直結でアクセス抜群ですし、椅子の座り心地も良かったので株主総会会場としてかなり良さげな施設です。

総会の雰囲気はいつも通りの待ったりした感じでした。

AGCの総会は展示をやればいいのにと出るたびに思います。
質疑応答でも技術や製品に関する質問が毎回出るので。

あと昨年の総会で予告していた企業CMの方は正統派な内容で安心しました。
最近よくある「視聴者を不快にさせても名前覚えてもらえれば勝ち」みたいな風潮は気に入らないので。
そして今日は高橋一生やAGCちゃんで埋め尽くされている会場を期待しましたが、別にそんなことはなかった。。。

2019/06/25追記
AGC Studio(AGCのショールーム)に行ってきたので別ブログの報告記事を貼っておきます。
こんな近くに展示施設があるとは知らなかった…

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お土産はありません。
召集通知に記載があります。
飲み物はペットボトルのお茶でした。
(2日連続で生茶だ!)
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