ユーグレナ[2931] 第12期定時株主総会
場所:東京国際フォーラム ホールB7
日時:2016年12月20日(火) 午前10時

[2017年は不参加]
[2015年の記事はこちら]

ユーグレナの株主総会出席は2年連続3回目です。

出席者は900名くらいだと思います。
中高年男性主体です。

議長は出雲社長が務めました。
開会からの流れは以下の通りです。
・監査報告(多喜監査役)
・会社概要の説明(出雲)
・事業報告(出雲)
・議案説明(出雲)

11時00分ごろから質疑応答に入りました。
形式は以下の通りです。
-1人1問まで
-質問者がマイクまで移動
-全て出雲社長が回答

1-1 配当はいつ頃から出せるようになるのか?
出雲「2020年のバイオ燃料実用化までは会社の収益は広告宣伝と研究開発に投資したい」
2-1 様々な研究が紹介されたが詳細がわからない。今後の総会ではそれぞれの進捗や予定を記した資料も用意して欲しい。
出雲「開示手法は悩みながら進めている。細かく説明すると大学発表のようでわかりにくいと指摘もある。将来収益に結びつく研究開発は特許申請しているので特許に注目してほしい。助成金を受けているものは政府へ報告の後シンポジウムで広く報告している。総会における資料に関しては貴重な意見。詳細なことも会社に連絡してもらえればインサイダーに抵触しない限り説明する」
3-1 海外事業について。中国を選んだ理由と今後の展開は?
出雲「2008年に伊藤忠商事の出資を受け、それ以来ユーグレナのマーケティングと販売を行ってくれている。資金を使って新素材を広めていくことは総合商社に強みがある。中国の機能性食品のマーケットは日本より大きく伊藤忠はそこで一番の商社。客を獲得しやすくマーケットが大きいため中国を選んだ。現在は保険省に商品を扱ってもらう活動と知名度向上の活動を同時に行っている。2020年までには一定の規模まで成長させるのは可能」
4-1 以前はファミリーマートでユーグレナの商品を買っていたが置かれなくなってしまった。コンビニの販売網をもっと活用してほしい。
出雲「申し訳ない。現状は期間や数量を区切って集中的に販売している。継続的に置かれる商品にしなければならない。今はやりくりしながら流通させている状態のため、需要に応えられるような生産体制を作っていく。ドリップ形態に関してはイオンやローソン等で継続的に扱っている」
5-1 第4号,5号議案について。"役員報酬の昨今の経済情勢等諸般の事情"とは?
出雲「私の報酬が倍になるというようなものではない。現状は常勤取締役4名の報酬は一人900万円程度。今後は優秀な人材を獲得しないと生き残れない。コーポレート・ガバナンスの強化としても外国人や女性の取締役を迎えなければならない。東京の上場企業の平均役員報酬は2700万円で、それ並みの数字を提示しないと難しい。今回はオファーの余地を拡げさせてもらいたいという意図」
6-1 バイオ燃料精製の実証設備の着工の遅れの件と、そこで用いる膨大な量のミドリムシの確保について。
出雲「今年夏に予定したものが最大で一年遅れることになった。申し訳無い。ミドリムシの原油を精製する技術が日本にはなく、米シェブロンの技術を管理している企業とのやり取りに時間が掛かってしまった。基本設計は終えて細かい仕様を定める最終段階。工場建設のための資材や人員については千代田化工建設に既に手配してある。バイオ燃料に使うミドリムシは三重県多気町で生産したものを使う予定。それでも足りない際は石垣島でバックアップできるようにする」
7-1 ユーグレナの買収防衛策は?
出雲「特段の買収防衛策は持っていない。ミドリムシで世界を救うという理念が実現できて、株主が同意するくらい高い株価で買収してもらえるのなら。我々より上手に経営できて株主が納得するならそれを遮るようなことは考えてない。一方で出雲に経営を任せれば企業価値が向上できると思ってもらえるように努力していきたい」
8-1 ミドリムシは4000種類もあるがユーグレナで扱っているのは100種類程度。扱っていない種類から他社が製品を出すリスクは?
出雲「殆どの種類のミドリムシはそんなに凄くはない。仮に我々の知らない新種が出てきたとしても培養が非常に難しい。我々には実績もノウハウもあり、見つけた人より安く培養できる自信がある。コントロールできるリスクと捉えている」
9-1 新商品(ユーグレナの緑汁 抹茶仕立て)について。商品を飲む際の温度の違いによって機能性に違いが出てくるということか?
出雲「冷たくても暖かくても栄養成分はなんら変わりない。ミドリムシに含まれているオメガ3脂肪酸の酸化臭は温めることでより強くなる。磯っぽい香りが楽しまれている一方で苦手という意見もあった。今回出すのは温めて飲むのを前提とした匂いのキツくない商品」
10-1 浮動株の多さが株価上昇の重荷になっている。提携先に株を持ってもらう努力をしてほしい。
出雲「期待に沿えず申し訳ない。中長期的には株価に反映されると思っているので見守ってほしい。事業を推進するパートナーとの適切な関係の構築には常に取り組んでいる。浮動株比率が高いのは事実だが多くの株主に優待を使ってもらうことで商品を拡げてもらうメリットもある」
11-1 広告宣伝の方向性について。
出雲「ユーグレナについて広く知ってもらうことと、どこへ行けば商品が手に入るかを伝えることの2点がある。川島海荷さんのCMはユーグレナを広めるために視覚的にわかりやすく知ってもらう観点を重視。どこで買えるかの広告に関してはターゲットごとに十分に細分化できていない。直販とOEM商品に関してはターゲットを絞って伝えていけるよう広告投資をシフトしていく」

12時20分ごろ閉会しました。


ユーグレナは毎年総会の動画や質疑応答の内容を公式サイトで公開しています。
アップされる時期は把握していませんが、そちらを見た方が分かりやすいと思います。

昨年よりは厳し目の雰囲気だったかなと思います。
それでもユーグレナ総会特有のファンの集い感はそのままでしたが。
質問する冒頭で商品を愛用してるとと仰られる方が多かったです。
(その度に出雲社長が感謝を伝えてました)

今年も出雲社長が喋りまくる総会でした。
会場で発された声の9割方がそうだったはず。
ほぼ1時間ぶっ通しでミドリムシの説明とユーグレナの事業を紹介した後に、続けて一人で質疑応答はよくやるなあと感心します。
そして安定のミドリムシ愛と腰の低さと説明の丁寧さ。(話が長いと言ってはいけません)
などなど非常に魅力的な方です。

印象に残ったのは買収防衛策の質問でした。
買収されてもかまわないと仰る経営者は珍しいので驚いたというか。
創業理念と株主のためならそれでもいいという姿勢は、出雲社長の人柄がかなり表れてたように思えます。

あと今年から飲み物が出るようになりました。
昨年までも商品の試飲ができれば良いと要望があったのでそれに応えた形です。

お土産はありません。
(招集通知に記載されてます)
飲み物は飲むミドリムシでした。
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