コロプラ[3668] 第8回定時株主総会
場所:ベルサール渋谷ファースト
日時:2016年12月16日(金) 午前10時

[2017年の記事はこちら]
[2015年は不参加]
[2014年の記事はこちら]

コロプラの株主総会は2年ぶり2回目です。

出席者は500~600名です。
ゲーム企業にしては年齢層は高めだったように感じます。
(2年前は低めと書いてる・・・)

議長は馬場社長が務めました。
開会からの流れは以下の通りです。
・監査報告(長谷川監査等委員)
・スライドとナレーションによる事業報告
・議案説明(馬場社長)

10時20分ごろから質疑応答に入りました。
形式は以下の通りです。
-1人2問まで
-質問者がマイクまで移動
-馬場社長中心に各役員が回答
-個別の質問は会社説明会で

1-1 単体と連結における純利益の差について。
長谷部取締役「買収したグループ会社は損益がトントンか赤字なので連結の数字の方が小さくなる。赤字ではあるが我々の開発リソースを補い、ゲームコンテンツの多様性強化にも貢献。新作アプリの先行費用として承知してほしい」
1-2 株価の安い今は自社株買いの好機では?利益剰余金も豊富にある。
長谷部「配当や自社株買いは内部留保や株主還元のバランスを鑑みて行う。現状はVRなどの先行投資に使っていきたい」
2-1 株価が下落している。株主へ損害を与えたことについて社長はどう考えているか?
馬場「大変申し訳ない。業績目標の必達と前期に比べて回復させることが責務」
3-1 取締役候補者の3人が保有株式ゼロ。各々から保有しない理由を聞きたい。
馬場「個人の財産については何も言えない」
4-1 取締役候補者の石渡氏と菅井氏の管轄部署が同じ。2人の取締役を出す意図は?
馬場「詳しくは言えないが組織を新設する予定でそこに菅井が入る。今は同じだが将来は異なる部署を担当する」
5-1 対処すべき課題の中でもブランド価値の向上は特に重要。強力なキャラクターを使うことでインパクトのあるものを出してほしい。
馬場「コンテンツ会社としてブランド力を持つことが大事なのは仰る通り。有名IPは10,20年続けたものが花開いている。当社も楽しまれ愛されるIPを作っていかねばならない。コラボに関してはIPモノをやらない印象を持たれているがそうではない。ディズニーのゲームを出した実績もある。進撃の巨人,カイジ等を借りてゲーム展開もしている」
6-1 社外取締役の活動について。具体的にどのようなアドバイスがあったか、どう経営に活かされたか教えてほしい。
馬場「為末氏にはユーザと同じ一般的な目線の発言をしてもらった。おかげでユーザとのアクションもミスコミュニケーションなく行けたと感じている。柳澤氏は歴史ある企業のCFOをされているので会計処理等でアドバイスを受けた。管理部門の確かさが向上した」
6-2 為末氏からも取り組みについて説明を。
為末取締役「経営判断に関して価値を提供できているかはわからないが、職業柄世論に触れることが多い。一般の方にメッセージを伝えていく点やロイヤリティを高める点は今行っている活動が参考になる。世の中の空気や考えを提供している」
7-1 Jリーグのトップパートナー契約の撤退の経緯について。データスタジアムやプニコンサッカー等の関連事業の今後は?
長谷部「2年契約の完了によるもの。ゲームとは分けて考えてほしい。データスタジアムを解体するようなこともなくスポーツデータ解析は今後も邁進する」
石渡取締役「プニコンサッカーに関しては当初期待した売上げには達していない。ゲームの難易度やバランスの設定が難しかった。友人との対戦機能についても不十分。継続中のサービスなので今後も楽しんでもらえるように取り組んでいく」

8-1 今期の業績の悪さは理解したが、来期の目標について社長の口から聞きたい。
馬場「コンテンツビジネスであるため絶対にヒットするとは言い難く保守的な予想を出した。今期も当然上は狙っている。来期リリースするものは集大成的、勝負をかけたコンテンツになる。グループ会社も増え1200人規模になり組織も変えた。今あるコンテンツをしっかり運営し、新作も魂を込めて一作一作仕上げていく」

11時00分過ぎに終了しました。

休憩をはさみ11時15分から会社説明会に入りました。
初めにゲームや投資、CSR活動などを紹介する動画が流され、11時20分過ぎから再度質疑応答に入りました。

1-1 VRゲームについて。OculusやHTC向けには出しているが日本語化されていない。またPSVR向けの開発は行わないのか?
小林(VR責任者)「今まで出してきたコンテンツは日本語にも対応している。言語設定の変更で日本語版になる。PSVRの発売と同時に"Fly to KUMA"をリリースした。年明け頃には新しいPSVR向けコンテンツをリリースする予定」
1-2 広告宣伝について。東京ゲームショウやアメリカのE3への出展は?
長谷部「TGSには4年前に一度出展した。当時は会社規模も小さかった上にスマホゲー厶の場違い感もあり、今後どうなのかと思い今日に至っている。最近のイベントではVRついては親和性があると考えている。TGSに出て目立とうとすると億を超えるので広告効果を考えながら」
1-3 黒猫とウィズのファンブックを大量購入し、それをツイートする社員がいた。ユーザを怒らすような行動をとるのは如何か?また恋ダンスの練習する暇があるならゲームの方に振り向けてほしい。
浅井プロデューサー「ツイートに悪意はなかった。本人に伝えさせてもらう。ファンブックを切らしてしまったのも問題であり今後は十分な量を用意したい。恋ダンスに関して仰る通りだが客とのエンゲージメントを高めることも重要。練習は行わずぶっつけ本番だった」
馬場「恋ダンスは個人的には好評だったと思う。バランスが大切」

2-1 海外展開について。東アジアでは積極的だがアメリカでは?
吉岡取締役「白猫プロジェクトの北米展開は行っているが力及んでいない。受け入れやすいアジアでは頑張っているが韓国版の白猫の売上げ減が響いている。ゲームのようなエンタメコンテンツはカルチャライズが大事。アメリカは第一印象で決めるところがある。絵柄を作り変えてリリース前は受け入れやすい印象だったが課金要素が日本とは違った。また海外についてもブランド作りは重要」
馬場「正直に言うと北米は成功してない。台湾や韓国は成功事例多い。売上げは小さいものの北米ではCyberpong VRが一番流行っていた」

3-1 人材について。またスカウトについての考えは?
馬場「組織が拡大する中で前期は人に対して適切なマネジメントができなかったと反省している。組織を変えて今にあったものを考え実行している。会社が小さかった頃と変わらずにやってきた結果、自分が会議で口を出すことで社員が萎縮することもあった。役員従業員の意思を変えていく一年にしたい。自分が会議に出ないことで社員が自発的に発言するようになり活力が出てきた。現状では中途採用は絞って組織を変えている。一緒に仕事したくなるような人で社員紹介が軸。また積極的にスカウトしていくのは業界的に良くないと思っている。新卒の若い人と一緒に作り上げて成長できる環境を作りたい」
4-1 女性の取締役がいない。
馬場「社員の3割ぐらいが女性で業界でも多い方。また女性も使うコンテンツを作っているので女性の観点は必要。まずはマネージャーや部長レベルからで、この前に女性部長が誕生した」
5-1 ドラゴンプロジェクトに期待したがヒットしていない。イベントの出し惜しみやポケモンGOと被ったのが失敗ではないか?
森先取締役「期待に応えられず申し訳ない。リリース前から直後にかけては予想を超えて盛り上がっていたが、その熱量に答えられるコンテンツを用意できなかった。出し惜しみではなく安定して提供できる状況になるまで時間がかかった」
馬場「社内のリリース時期に間に合わせるよう出してしまったのが悪かった。当時の常識では3ヶ月は持つつもりだったが、想定以上にユーザにプレイされサーバに接続できない状況もあった。自分らが思っている以上に注目されていることを認識すべきだと学んだ。白猫テニスでは大号令を出し、あれだけのユーザが集まってもサーバが落ちることはなかった」

5-1 前期6タイトルリリースの予定が3タイトルになった件について。
石渡「自分の管掌では2タイトルあったが今期リリース予定。遅れた理由としてゲーム開発難度の問題やより面白くするため、リリースタイミングで考えないといけない部分もあった。半年前より誰が見てもいいものになっている」
森先「思い通り面白くならなかったのが大きい。新たなものを生み出すにはセンスも必要でどういうチームで作るか試しながらやっている。開発自体は止まっているわけではない。今までになかった新しい体験をできるものになる」
馬場「これまでもスマホに合わないようなクイズや3Dゲームをヒットさせてきた。今までヒットさせたものには何か挑戦要素がある。二人が担当しているのもスマホでこんなのあるんだといった機能やジャンルにおいて挑戦しているもの」

5-2 社長の口からポジティブサプライズが欲しい。
馬場「リリース本数は言いにくい。コロプラってそういうことするんだと思ってもらえるタイトル」
6-1 ポケモンGOに負けないような位置情報ゲームを見せてほしい。
馬場「革新的な位置ゲーを作りたいとは思っている。詳しくは言えない。作ってるともなかなか言えない。個人的にはアイデアを考えている」

12時10分ごろこちらも終了しました。


株価はあの惨状にも拘わらず、総会の雰囲気はむしろ良かったといえます。
為末氏が話された際や最後社長が意気込みを語った際には拍手も起きてました。
毎回ゲーム企業の総会に出席するときは炎上成分の補給という期待も心の片隅にあるのに。(おい)
厳しめの意見が1,2件出たくらいで怒号はなかったですね。
うろ覚えですが2年前に来た時の方がはるかに荒れてたかなと。
ただ取締役の保有株数についての質問の際、「(株を持っていない)3人は先見の明がある」との皮肉はかなりいい飛距離が出ていたと思います。

最近は株主総会と会社説明会に分ける企業が増えてますね。
決議事項や会社全体に関する質問は総会で、個別のサービスについての質問は会社説明会でといったやり方です。
(2年前のコロプラの記事見て確認したのですが、その時に「質問は分けろ」と注文付けられてた模様です。昨年からこうなのかな?)
こんな質問を総会でぶつけるというのは気が引けるといった方も気軽にできるし、個別な質問は聞きたくないという人は総会だけで帰れるので理に適ってます。
また株主でありユーザという人も多いようなので、そういった方にとってはユルい雰囲気で話を聞けるのは面白いのかもしれません。
ただスマホゲームは殆どやらないので内輪ネタについていけないのは悲しいところ。
ああこの人恋ダンス踊ったんだとか思いながら聞き流してました。

担当役員の回答が不十分だった際には、馬場社長が「お金かかるの?」「何で遅れたの?」「それ本当に面白いの?」などと突っ込んで引き出してました。
会社説明会の進行の仕方としては良かったかなと思います。
でもこういう対話形式が許されるのはゲーム企業ならではですね。
海運や石油のような堅い業種で同じことやったら非常にシュールな光景になりそうです。
それはそれで見てみたいですが。


お土産は先渡しです。
コロプラのグッズ(ハンドタオル,2017年のカレンダー,ボールペン)でした。
飲み物はペットボトルのミネラルウォーターでした。
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