国際石油開発帝石[1605] 第10回定時株主総会
場所:ホテルオークラ東京 アスコットホール
日時:2016年6月28日(火) 午前10時

[2017年は不参加]

国際石油開発帝石の株主総会出席は今回が初めてです。

会場にいたのは500名くらいですがお土産直帰の方も多かったです。
出席者の層はバラけていました。

議長は北村社長が努めました。
総会の流れは次の通りです。
 ・監査報告
 ・スライドとナレーション形式の事業報告
 ・対処すべき課題の説明(北村)
 ※議案説明は質疑応答後

10時40分ごろから質疑応答に入りました。
形式は次の通りです。
 -数は特に制限なし
 -質問者の下へ係員がマイクを持参
 -議長が質問をまとめてから回答
 -回答はほぼ全て議長、一部担当役員

1-1 イギリスのEU離脱による影響は?
北村「イギリスでは探鉱・生産活動を行ってないもののロンドンに事務所を保有。業務は全世界の情報交換やヨーロッパその他関連地域への支援であり、大きな企業戦略の変更は考えてない。一般論としてはヨーロッパ経済にマイナス影響で石油需要の押し下げ圧力になる。ただ石油需要は新興国で伸びており全体的に需要が減ることは考えにくい。世界経済全体の先行きが不安定になると途上国含めてマイナス影響。またリスクを避ける投資が強まると原油価格の押し下げ圧力にもなる」
1-2 為替面での影響は?
北村「今期の想定為替レートは1ドル110円に設定。見極めた上で必要があれば適切に見直しする。ドル円レートへの為替ヘッジは従来から行っていない」
2-1 日本近海での天然ガス開発は?
北村「国内の貴重な資源であり、足元で現場を持つことは技術や経験の蓄積に役に立つ。国の資源開発政策に沿って取り組む。島根山口沖では基礎試錐事業を実施しており天然資源の埋蔵の広がりを確認する。メタンハイドレートに関しては、経済的に可能な生産方法の確立までには技術的に克服すべき課題が多く残っている。現在は国が中心になってプロジェクトを進めている」
2-2 会社設立10周年記念で株主還元してほしい。クオカードなど。
北村「株主還元の基本は配当。イクシスLNGで生産開始されたころには配当方針を見直していく」
3-1 法人税が高い理由は?
北村「海外事業が多く、産油国の税率が極めて高いため」
3-2 イクシスの経済性や中長期的な事業の展望。
北村「イクシスはLNGに限らず優れた経済性があると確信している。今の原油価格や為替が続いても経済性は確保できる。供給過多は今年や来年半ばにはなくなり、途上国中心に需要が伸びて中長期的には安定していく。各プロジェクトを進めることで強靭な成長力をもつ会社になれる」
4-1 イランにおけるエネルギー開発の考えは?
北村「資源的にはポテンシャルの高い国。ただ低油価状態が続くとプロジェクトへの資源配分は考えないといけない。いろんな角度から検討している。単独かパートナーとやるかも含めて検討」
4-2 アブダビを獲得したことで湾岸諸国に気兼ねしてるのでは?
北村「原油に関しては中東依存が強まっている。国際帝石とアブダビ政府は良好な関係なのでこれを維持していく。一つの考慮要因なのは事実」
4-3 社外取締役からイランについての話はあったのか?
北村「取締役会では話題なっている。イランでの経験を持つ人もいて様々なアドバイス受けている」
倉澤常務「興味はあるもののイクシスやアバディに経営資源を投入しないといけない中では制約があると話した。イラクでは新石油契約の詳細が公表されてない、どのガス田が市場に出るかわからない、ドル決済ができない等のリスクがある」

5-1 社外取締役も株を保有してほしい。
北村「社外取締役の株式保有にいろいろな考え方があるのは確か。業務執行を監督するために中立的な立場から監視するという見方もある。それぞれの取締役の見識で考えることだが、株の保有にかかわらず役割は十分果たしている」
6-1 アバディLNGについて。
北村「早期で最適なプロジェクトの実現という方針は変わらない。インドネシア政府の要請を踏まえつつ検討。引き続き協議しつつ早期のスタートを目指す」
7-1 技術本部長の"技術"とは何を指しているのか?
北村「技術は経済性に繋がり世界での競争力にもなるので生命線」
佐野副社長「アップストリームに関わる技術が中心。技術本部は各事業本部へ技術者を派遣して支援したり、事業本部の決定を別の視点でレビューをする役割もある。従来的な開発の技術を高める他に回収率のアップや大水深での開発、シェールなどの技術の蓄積も」

8-1 イクシスが送れた原因と今後の見通しは?
北村「実際に作業が進捗する中で遅れが取り戻せない可能性があるため、昨年9月に新しいスケジュールを出した」
伊藤常務「今年3月末時点では進捗率は84%であり計画に沿って進んでいる。南半球で一番長い890kmのガスパイプラインが完成しガスの受け入れ体制が整っている。フローラインの設置も完了。CPF,FPSO施設も大きな進捗。ダーウィンの陸上プラント建設も進む」
8-2 原油価格が上がっていく根拠。
北村「フローベースではバランスに近いが供給過剰が続いたため先進国では在庫が溜まっている。その在庫がようやく取り崩されてるところなので価格の戻るペースは遅い。中長期的には途上国の経済成長が見込めるので需要は順調に増加する見通し。供給面ではシェールオイルが今後大きく伸びていくとは見通し難い。また供給全体の中でシェールが占める割合はそれほど大きくない。在来型に関しては世界的に開発投資が落ちている」
9-1 原油の生産コストについて。
北村「前期の生産コストは1バレル7.8ドル。コスト削減に努めた結果で一年前より三割減少」
10-1 国際帝石は10周年だが実態の歴史は長い。
北村「帝国石油設立が75年前でインドネシア石油設立は50年前。そういう意味で今年は節目の年であり、さらなる発展のため努力していく」

12時00分ごろ閉会しました。


株価は悲惨ですが総会の雰囲気は良かったです。
内容もしっかりしてて久しぶりに株主総会らしい総会を見た感じがしました。

印象的だったのが採決の際に数人が「意義なし!」と言ってから拍手するところです。
この手法は既に絶滅したものだと思ってたのでへーと感心してしまいました。
まあこういうのは企業ごとの文化ですね。

昨日は脳が死んでましたが今日は楽しめました。
北村社長の喋りもかなりゆっくりなのでメモり易かったですし。
IR説明会の記事では国際帝石は常連でしたが、今回で総会の方も出られて満足です。
また出たいのですが何故か石油関係同士でぶつかり合うんですよね。
来年は他と被らないと良いのですが。


お土産は後渡しです。
東京風月堂のデザートケーキでした。
また会場後方に設置されているドリンクコーナーが利用可能でした。
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