ユーグレナ[2931] 第11期定時株主総会
場所:東京国際フォーラム ホールB7
日時:2015年12月18日(金) 午前10時

[2016年の記事はこちら]
[2014年は不参加]
[2013年の記事はこちら]

ユーグレナの株主総会出席は2年ぶり2回目です。
昨年から会場が国際フォーラムに変わりました。
一昨年の埋まり具合と一部へ市場変更したのを考えるとまあ妥当ですね。

出席者は1000名程度いたと思います。

最初に挨拶と監査報告がされたあとは、議長の出雲社長が1時間ほど話し続けました。
スライドを利用しつつさながら出雲社長の講演のような形でした。
ミドリムシとはなんぞやといった初歩的な話から始まりユーグレナの事業内容を語り尽くすといった具合です。
相当場数を踏んでいるようでプレゼン上手でした。

11時10分頃から事前通告質問に対しての回答に移りました。
(9件もあってメモがとても追いつかなかったのでここはスルー)
その途中、いつもの方が乱入し不規則発言を続けたので退場させられてしまいました。

11時20分過ぎから質疑応答に入りました。

質問者は10名です。
1人2問までの制限でした。
質問の回答はすべて出雲社長が行いました。

1-1 エビ養殖会社を子会社化した件について。
出雲「今回はエビだが、それに限らず5Fビジネスに従って様々な餌にミドリムシを活用していきたい。また甲殻類から回収したキチン・キトサンをどう利用するかというのは政府から与えられたテーマでもある」
1-2 総会での飲み物について。
出雲「私だけ水を飲んで大変申し訳ない。対応を考える」
2-1 緑汁の機能性のアピールについて。
出雲「商品に効果・効能を書くことは法律で認められていない。研究レポートという形で出している。新たな効能が判明した際は今後もレポートをまとめていく」
3-1 ヘルスケア事業では購入者100万人を目指してほしい。また売上げを高めていくにあたり石垣工場の生産キャパシティは?
出雲「難しいチャレンジにはなるが長期的には国内外で100万人を目指して行きたい。現在キャパ拡張の準備を進めている。プールや乾燥機など部分的に着手し、売上げの拡大にはついて行けるように計画している」
3-2 シェブロンの米国における実績や他社との違いについて。
出雲「守秘義務もあり違いなどの詳細は言えない。存在していない技術にチャレンジするにあたってシェブロンはポジティブにとらえてくれておりパートナーにふさわしい」
4-1 原油価格が低迷しているが研究開発への影響は?
出雲「ある面では危惧している。将来の原油価格がどうなるかを考えるよりも競争力のある価格で提供できるように頑張りたい。日々生産コストの削減に努めており、即座に他の燃料と競争するには難しいもしれないが、ヘルスケア事業のビジネスにおいてそれをすぐに還元することができる。またエネルギー安全保障の観点からも資源の乏しい日本にとって国産燃料という点は有利」
4-2 ジェット燃料を研究開発している企業が国内に数社ある。オールジャパンとしてリーダーシップをとってほしい。
出雲「他のプレイヤーも敵ではない。ミドリムシ以外の原料も投入できるような工場設備を準備して他社に働きかけていく」
5-1 将来的な株主還元の方針について。
出雲「2020年に5Fビジネスを確立するまでは研究開発やPR活動に資金を使いたい。2021年以降各事業のビジネスが確立し一人前の会社になったら配当や優待などを実施したい」
6-1 エネルギー・環境事業で挙げられている"佐賀市","住友共同電力","清水建設"の具体的な説明。
出雲「佐賀市:下水処理施設から出るCO2をミドリムシで削減可能か、ミドリムシ増産に利用できるかの研究。
住友共同電力:石炭火力発電所にミドリムシ培養施設を設置し1年以上テストしている。石炭の産地によって成分が異なり排気ガスも変わるためミドリムシによって固定化・削減できるかを研究。
清水建設:オマーンの石油生産施設で発生する汚染水をミドリムシで浄化する研究。また石垣より暑く厳しい環境においてもミドリムシを培養するための研究している。」

7-1 コーポレート・ガバナンスコードへの対応状況。
出雲「ちょうど現在検討しているところ。定まったら開示する」
8-1 発電にミドリムシは活用できるのか?
出雲「発電用燃料には当然活用可能だが、発電用燃料はバイオジェット燃料より単価が安いためコストをもっと下げる必要がある。またミドリムシ自体から電気を取り出すといった観点において、発電能力のある微生物の存在は確認しているがミドリムシでやるのは技術的なハードルが高い。もしやるとしても採算性をクリアしたうえで燃料としてに限られる」
9-1 食品の安全性について。海洋汚染によって生産されるミドリムシへの影響はないのか?
出雲「海洋汚染の影響は生態ピラミッドの上位生物(マグロなど)に蓄積されやすい。ミドリムシは最下位層の生物なのでそういった影響は受けない。安心して食べてほしい」
9-2 協力相手としていすゞとANAを選んだ理由は?
出雲「たくさんの会社に声をかけたが、率直に言うとミドリムシを信じて多くの資金を出してくれたのがこの二社」
10-1 株主総会で緑汁を試飲できればよいのでは?
出雲「名前で敬遠してる人に試飲してもらうことは大事。貴重な意見として承る」
10-2 不規則発言者にびっくりした。
出雲「驚かせて申し訳ない」

12時20頃に閉会しました。


ユーグレナは総会内容の開示が充実しています。
動画をアップしている上に質疑応答の内容まで文章で細かく記述されています。
なのでここに書いたのを見るよりユーグレナのWebサイトを見た方が確実だと思いますw
(去年のページを見る限り時間差で動画も上がるはず)

質問者の方も仰られてましたがアットホームな雰囲気でした。
まさにミドリムシ応援団の会合のような感じ。
あの方の乱入以外は終始皆穏やかでした。
どうでもいいことだけど今年もよく遭遇したなあ(いちご,アステラス,グリー,ビックと)。
あの人へどう対応するかは社長の進行スキルのベンチマークになりますね。。。

総会は出雲社長の独擅場でした。
カンペをガン見、原稿を棒読みする社長ばかりの世の中ですから自分の言葉で直接説明しようとする姿勢は好きです。
わさわざ総会に来たところで回答に逃げられたり、事務方の作成した想定問答集読み上げられても萎えるだけですし。
お土産も飲み物も出ない総会ですが社長の話をしっかり聞けるので来た甲斐があったなと感じます。
それを聞いて信頼するかしないかはともかく、応援してあげようという気持ちにはなるのでベンチャー企業はこういう精神を忘れないで欲しいです。

お土産がないのを知っていながら、大企業でもないのにあれだけの人数が出席するのは改めてファンの多さを実感します。
2020年までは株主還元は厳しいと言われながら文句ひとつ出ませんし株主には恵まれています。
最後は何とか期待に応えてもらいたいと思います。


上記の通りお土産はありません。
(その旨が招集通知にも記述されていました)
IMG_8970 (1024x768)